親の死後に行う年金手続きは、加入状況や年金種別によって必要な窓口や提出書類が異なるため、見落としが生じやすい分野です。この記事では、区役所と年金事務所の役割の違いや、過去の年金加入履歴の調べ方、手続き漏れを防ぐポイントについて、詳しく解説します。
区役所と年金事務所の役割の違い
親族が亡くなった場合、まず区役所で「死亡届」を提出します。これにより、国民年金の停止処理は自動的に行われるケースが多くあります。
しかし、厚生年金や遺族年金に関する手続きは区役所では行えません。これらは日本年金機構が所管しているため、年金事務所に出向いて申請が必要です。6年前に母親の死亡時に区役所で完結したように見えても、厚生年金に未対応であった可能性があります。
過去の厚生年金加入歴を調べるには?
亡くなった人が過去に厚生年金に加入していたかどうかは、「ねんきん定期便」や「年金記録照会」で確認できます。遺族の場合でも、所定の本人確認書類や相続関係書類(戸籍など)を提示すれば、年金事務所で記録を閲覧できます。
例えば、母親が若い頃に一時的に会社勤めをしていた場合、短期間でも厚生年金に加入していた記録が残っていることがあります。その場合、遺族給付の対象になる可能性もあります。
年金の未手続きによるリスクと対応
手続き漏れがあった場合、支給停止処理が完了していなかったり、受給できるはずの遺族年金を逃していたりするリスクがあります。年金事務所で改めて確認を行うことで、過去の記録の再調査や必要に応じた手続きが可能です。
たとえば、母親に厚生年金の加入歴があり、遺族年金の受給資格が本来あったにもかかわらず申請していなければ、5年の時効により受給できないケースもあります。手続きの確認は早めに行うことが重要です。
父親の厚生年金証書が意味すること
父親が厚生年金に加入していた場合、死亡に伴い「遺族厚生年金」や「未支給年金」の申請が必要になります。証書が手元にある場合、加入期間や年金支給状況がわかる手がかりになります。
もし父親の年金が未支給であった期間があれば、申請により相続人が受け取ることができます。この手続きも区役所ではなく年金事務所で行う必要があります。
必要な書類と今後の進め方
遺族として年金事務所で手続きする場合、以下の書類が必要になることが一般的です。
- 故人の年金証書または基礎年金番号
- 戸籍謄本(故人との関係がわかるもの)
- 住民票や本人確認書類
- 相続人の通帳コピー
年金の記録調査は全国どこの年金事務所でも可能なので、居住地に関係なく問い合わせ可能です。
まとめ:未手続きの可能性があるなら、早めの相談を
6年前に区役所で手続きを完了したように思えても、厚生年金が絡む場合は別途年金事務所での対応が必要です。特に加入歴が不明な場合は、記録調査によって「知らなかった権利」が見つかることもあります。ご両親の記録について今からでも確認し、必要に応じて遺族年金や未支給年金の請求を行うことをおすすめします。
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