再発したうつ病で再び傷病手当金は受け取れる?支給条件と注意点を解説

社会保険

一度適応障害やうつ病などで傷病手当金を受給し復職した後、再度メンタル不調が起こった場合、「もう一度傷病手当金は受け取れるのか」と不安になる方も多いでしょう。特に精神疾患は再発率が高く、生活の不安を少しでも軽減するためには正確な制度理解が必要です。この記事では再発・再休職時における傷病手当金の支給可否と注意点について詳しく解説します。

傷病手当金の基本的な支給条件を確認しよう

傷病手当金は、健康保険の被保険者が業務外の理由で療養のために働けなくなった場合に支給される制度です。支給されるためには、以下の条件をすべて満たす必要があります。

  • 業務外の傷病により働けない
  • 連続する3日間を含み、4日以上仕事を休んでいる
  • 給与の支給がない(または一定額以下)
  • 健康保険に継続して加入している

この制度の支給期間は「最長1年6カ月」で、初回の支給開始日を起算日とし、途中で復職した期間があってもカウントは進み続けます。

うつ病再発での再休職は新しい傷病とみなされる?

再び傷病手当金を受け取れるかどうかのカギは、「前回と同一傷病か別の傷病か」です。適応障害からうつ病へ診断名が変わっていたとしても、医学的に「同一性がある」と判断されれば前回の支給期間が通算され、再支給は受けられません。

一方、医師の診断書などにより「別の傷病」と認められれば、再度新たな支給期間(最長1年6カ月)がスタートします。ただし、この判断は保険者(健康保険組合や協会けんぽなど)が行うため、提出書類の内容が非常に重要です。

同一傷病とみなされるかどうかの判断基準とは?

診断書に記載された病名が違っていても、「治癒していない、あるいは再発である」と判断されれば同一傷病と扱われます。たとえば、「うつ状態→うつ病」や「適応障害→抑うつ状態」などは連続性があると見なされやすいです。

別傷病と認められる可能性を高めるには、主治医に症状の違いや原因の変化、治療内容の変化などを詳しく診断書に記載してもらうことが効果的です。可能であれば、前回とは別の医療機関の診断を取得するのも一つの方法です。

再支給を受けるために準備すべき書類と注意点

再支給の際に重要となる書類は、「傷病手当金支給申請書」および「診断書(医師意見書)」です。特に医師の意見欄には、傷病の内容が前回と異なる旨を明確に記載してもらうよう依頼しましょう。

また、会社側が発行する休職証明も必要になります。給与支給状況や就業不能期間の明記があることを確認してください。すでに支給日数が消化済みであると、申請しても不支給となるため、通算日数の確認も必須です。

再度支給を受けられない場合の選択肢

もし同一傷病と判断され、1年6カ月の支給期間をすでに満了していた場合は、傷病手当金の再支給はされません。その場合は、傷病手当金以外の制度を検討する必要があります。

  • 失業保険の「特定理由離職者」としての受給
  • 障害年金(一定の条件を満たす場合)
  • 生活保護や公的貸付制度の利用

会社の福利厚生や団体保険に加入している場合は、会社独自の補償制度があることもあります。社内の人事・労務担当にも相談してみましょう。

まとめ:まずは医師と相談、次に健康保険組合へ確認を

再発時の傷病手当金の受給は、「同一傷病かどうか」によって大きく左右されます。まずは主治医に相談し、診断書の内容を適切に記載してもらいましょう。そして、健康保険組合にも事前に問い合わせ、必要書類や過去の支給実績の確認を忘れずに。

精神疾患は見えにくい分、不安も大きいもの。制度を正しく理解し、安心して治療に専念できる環境を整えていきましょう。

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