大学生として親の扶養に入りながらアルバイトをする際、所得の上限を気にする必要があります。「103万円」「130万円」「3ヶ月平均10万8千円」など、複雑な数字が飛び交い混乱する方も多いのではないでしょうか。この記事では、それぞれの基準の意味と適用範囲、3ヶ月平均による社会保険加入の判定方法について具体的に解説します。
扶養の「103万円・130万円・123万円」の違い
103万円は、所得税と住民税に関係する扶養控除の基準です。これを超えると親の所得控除対象から外れ、親の税額が増える可能性があります。
130万円は、健康保険上の扶養の基準です。これを超えると原則として扶養から外れ、自分で国民健康保険に加入し保険料を支払う必要が出てきます(条件によっては被用者保険への加入も)。
123万円は住民税の非課税限度額で、自治体によって微妙に異なることがあります。こちらは本人の住民税負担に関係します。
3ヶ月平均10万8千円とは何か?
この金額は社会保険(健康保険と厚生年金)への加入義務が発生する目安です。短時間労働者でも、以下の5条件をすべて満たすと社会保険に加入しなければなりません。
- 週の所定労働時間が20時間以上
- 月額賃金が8.8万円以上(=年収約106万円超)
- 勤務期間が2ヶ月超の見込み
- 学生でない
- 常時501人以上の従業員がいる企業(※企業規模により拡大中)
「3ヶ月平均10万8千円超」は、これらの判定の中でも特に月額賃金に関する基準で、社会保険加入対象とされる企業で適用されます。
3ヶ月平均の具体的な計算方法
「3ヶ月平均」の算出には、連続した3ヶ月間の報酬を対象にします。つまり、1-3月、2-4月、3-5月、4-6月…といったように1ヶ月ずつずらしながらチェックされるのが一般的です。
したがって、3.4.5月で10.8万円を超え、さらに4.5.6月でも超えていれば、継続して高収入が見込まれると判断され、社会保険加入の対象になる可能性が高くなります。
学生アルバイトの場合の例外
ただし、「学生」には大きな例外があります。一般的な大学生(昼間部)のアルバイトであれば、3ヶ月平均10万8千円を超えても社会保険加入の対象外になります。
これは厚生労働省が定める「学生は適用除外」というルールがあるためで、卒業見込みのある正規学生であれば適用されます。ただし、通信制や夜間、大学院生などは例外になることもあるため、雇用主や保険事務担当に確認が必要です。
税金の通知が届いた理由と対応
もし「税金を支払う通知」が届いた場合は、年間の収入が103万円を超えていないかを改めて確認しましょう。103万円未満でも、住民税が発生する市町村もあるため、必ずしも通知=違反ではありません。
また、所得証明書や住民税申告の提出が求められるケースもあります。税務署または市区町村の窓口に直接問い合わせて、根拠となる収入額や扶養状況を確認するのが確実です。
まとめ:学生アルバイトの扶養と保険の境界は明確に理解しておこう
学生のアルバイト収入において、「103万円」「130万円」「3ヶ月平均10万8千円」はそれぞれ別の制度で用いられる基準です。扶養を維持しながら働くには、これらの意味を正しく理解し、事前に計画的に働くことが大切です。
特に親の扶養に入っている場合は、所得が増えることで家族全体の税負担が増えることもあるため、年収や月収の管理はしっかり行っていきましょう。
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