生活保護を受給するか検討している際、「現金としての資産を金(インゴット)などに換えて保有しておけばよいのでは」と考える人も少なくありません。しかし、生活保護制度は資産の保有に厳しい基準があるため、誤った判断は後に大きなトラブルを招く可能性があります。この記事では、インゴットなどの資産と生活保護の関係について解説します。
生活保護制度における「資産」とは何か?
生活保護では、一定額以上の資産を保有していると申請が認められない場合があります。この「資産」には、現金・預貯金・有価証券・不動産・車両・貴金属などが含まれます。
つまり、たとえ現金を金(インゴット)に換えても、それは単に形を変えた「資産」であるため、生活保護の申請時には申告義務があります。
金に換えて保有する行為は「資産隠し」に当たる可能性も
生活保護前に現金を金や宝石などに替えてしまい、申告せずに保護を受けた場合、それは「資産隠し」と見なされる可能性があります。自治体によっては、保護開始後に調査で判明すると、保護費の返還命令や不正受給扱いになるリスクがあります。
例:生活保護申請前に200万円の現金をインゴットに替え、申請時に申告しなかった→後に発覚し、全額返還を命じられたケースもあります。
資産がある場合の正しい手続きとは?
仮に資産が一定額ある場合、それを生活費としてまず活用し、資産が尽きた段階で生活保護を申請するのが原則です。インゴットも同様で、現金化したうえで生活費に充てることが求められます。
申請時にはすべての保有資産を正直に申告し、役所と相談しながら手続きを進めましょう。
資産の形を変えるメリット・デメリット
メリット:インフレに対する価値保存効果や、現金をすぐ使ってしまうリスクの回避になる点はあります。
デメリット:生活保護においては却って不利になることが多く、金に替える行為は「不透明な資産操作」とみなされることも。短期的には不安定要素となるため、慎重な判断が必要です。
相談窓口を活用して正確な判断を
制度について不明点がある場合は、厚生労働省の生活保護ページや、地域の福祉事務所・社会福祉協議会などに相談すると安心です。
資産の整理や活用方法についても、事前にアドバイスを受けることで不正受給を避け、スムーズな支援を受けることができます。
まとめ:資産の扱いは慎重に。誠実な対応が最善の結果を導く
生活保護申請前にインゴットなどへ資産を移す行為は、制度上許されないこともあります。大切なのは、形式を問わず「活用できる資産があるならまずそれを使う」という原則です。
不安な場合は一人で抱え込まず、専門窓口への相談を活用して、正しい知識と判断で生活を立て直していきましょう。
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