新車購入時には、万が一の事故に備えて車両保険を「購入額と同額」で設定するのが一般的です。しかし1年が経過すると、車の価値は下がり始めるため、保険金額の見直しが必要になります。この記事では、車両保険の適正な見直し方について詳しく解説します。
車両保険の保険金額とは?
車両保険の保険金額とは、事故などで車が損害を受けたときに、保険会社から支払われる上限金額のことです。この金額は車の「時価」によって決められます。
新車購入時は購入価格と同程度の金額で設定されることが多いですが、車は時間の経過とともに価値が減少(減価)していきます。1年で約10〜20%、2年で約30%以上下がるケースも珍しくありません。
1年後に見直すべき理由
1年が経過すると車の市場価値が下がっているため、保険金額を購入時のままにしておくと、保険料が割高になる可能性があります。
たとえば、前年に300万円の保険金額で契約していたとしても、1年後の車の時価が240万円になっていると、実際の価値より高い保険金額を設定していることになります。これは「過剰保険」と呼ばれ、いざ事故が起きても時価以上の金額は支払われません。
適正な保険金額の設定方法
保険会社は毎年の更新時に「保険金額の目安」を提示してくれることが多いため、その金額を参考にするのが基本です。目安がない場合は、以下の方法でおおよその金額を把握できます。
- 中古車販売サイトで同年式・同型車の価格をチェックする
- 自動車評価額サイト(例:Goo買取、カーセンサーなど)で査定額を調べる
- 保険会社や代理店に時価額の目安を尋ねる
保険料とのバランスを見て、必要最低限の金額にすることで、年間保険料を抑えることもできます。
補償内容の見直しもあわせて
車両保険は「一般型」と「エコノミー型(車対車+A)」の2種類があり、内容によって保険料が大きく異なります。
一般型:自損事故や当て逃げなど幅広くカバー。ただし保険料は高め。
エコノミー型:相手のある事故(ぶつけられたなど)のみカバー。保険料が安くなる。
1年目は手厚く守るために一般型を選ぶ方が多いですが、2年目以降は車の価値や運転環境を考慮して、補償範囲を狭めて保険料を抑える方法も検討の価値があります。
具体的な見直しの例
例えば、購入額300万円の車で1年後に時価が240万円の場合、保険金額を240万円に設定すれば、保険料が数千円〜数万円単位で安くなるケースがあります。
また、エコノミー型に切り替えた場合、さらに保険料を抑えられることがあります。ただし、その分補償が狭まるため、事故時の自己負担が増えるリスクも理解しておきましょう。
まとめ
車両保険の金額は、車の価値の下落に応じて見直すことが大切です。1年経過後の保険更新時には、保険金額・補償内容の両方をチェックし、必要に応じて調整することで、無駄な出費を避けながら安心を確保できます。迷ったときは、保険会社や専門代理店に相談してみましょう。
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