退職後に支給されたボーナスから社会保険料が差し引かれていると、「もう退職したのに引かれるのはおかしいのでは?」と疑問に感じる方は少なくありません。しかし、実はこの処理には明確なルールがあります。この記事では、退職後のボーナス支給時における社会保険料の取り扱いと、返金の可能性について詳しく解説します。
退職後のボーナス支給と社会保険料の関係
社会保険料は、原則として「支給日が在籍期間中かどうか」ではなく、「報酬が在職中の勤務に基づくものであるか」によって判断されます。そのため、たとえ退職日が6月中旬であっても、6月末に支給されたボーナスが在職中の勤務に対する評価であれば、社会保険料の対象となるのです。
この取り扱いは厚生労働省が定めた通達にも基づいており、会社の違法行為ではありません。
賞与支給時の保険料算定方法
賞与に対する社会保険料(健康保険料・厚生年金保険料)は「賞与額 × 保険料率」で計算されます。ここには通常の給与と同じく「本人負担分」と「会社負担分」があり、支給時に天引きされるのは本人分のみです。
賞与支給時に在籍していない場合でも、その賞与が勤務実績に基づく報酬である限り、標準賞与額として報告・計算されます。
返金は受けられるのか?
原則として、適法に差し引かれた社会保険料は返金されません。ただし、何らかの事務的ミスや、支給対象者の誤りなどがあった場合には、訂正申請を通じて返金が行われることもあります。
不明な場合は、会社の人事・給与担当者に問い合わせるとともに、必要であれば年金事務所や健康保険組合にも相談してみましょう。
ボーナス支給後に保険料が発生するケースの注意点
退職日と支給日が離れていると、手続き上「退職後なのになぜ?」という疑問が生じがちです。とくに、賞与が定期的に支給されている会社では、支給日があらかじめ決まっているため、退職者も支給対象になることがあります。
一方、退職後に支給される「退職金」については、社会保険料の対象外です。あくまで在職中の勤務に対する「報酬(=給与・賞与)」のみが対象です。
手元に残る金額を把握するために
退職時の最終支給額を正確に把握するには、支給明細書を確認し、控除項目(社会保険料・税金など)をチェックすることが重要です。不明点があれば、必ず会社に問い合わせましょう。
また、転職先での初回給与が遅れる場合に備えて、退職月の収入計画を余裕をもって立てておくと安心です。
まとめ:適正な控除かを確認して冷静に対応を
退職後に支給されたボーナスから社会保険料が差し引かれるのは、報酬に対する適正な手続きである可能性が高いです。返金されるケースは限定的ですが、疑問がある場合は速やかに会社または社会保険の窓口に確認することをおすすめします。
大切なのは、支給明細や保険料の仕組みを正しく理解し、冷静に対処することです。
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