労災事故後の治療で指定病院を利用する場合、書類のやり取りや手続きが煩雑に感じることがあります。特に会社が労災書類を病院に送付してくれた場合、その後の手続きがどう進むのか、患者自身が何を確認すべきかを正しく把握しておくことが重要です。
労災指定病院が行う基本的な手続き
労災指定医療機関では、労災保険の申請に必要な書類の一部を病院側が作成・提出してくれる体制が整っています。たとえば、治療内容や診断書の記載、費用請求書(様式7)などがこれに該当します。
会社が労災関連書類(たとえば様式5や6など)を病院に直接送った場合、病院側が書類内容を確認し、記載事項に問題がなければ提出まで進めてくれるケースがほとんどです。
患者が確認すべきポイント
労災指定病院での手続きは比較的スムーズですが、患者自身もいくつかの確認を怠らないことが大切です。以下の点に注意しましょう。
- 労災申請書類(様式5または6)がすでに病院に届いているかどうか
- 病院の窓口で「労災で受診する」ことを明言しているか
- すでに支払った医療費がある場合、後日精算が可能か
- 診断書など追加の書類が必要か確認
特に初診時に保険証を提示してしまった場合は、労災扱いではなく通常の健康保険で処理されてしまうことがあるため、労災申請中である旨を明確に伝えることが大切です。
会社と病院の連携による代行処理の実態
多くの企業では、労災の発生時に担当者(総務や安全衛生担当など)が労災申請書類を作成し、指定病院へ送付してくれます。その後、病院が医療機関側の手続きを代行する形で申請を完了させるケースが一般的です。
ただし、会社と病院間の連携が不十分な場合、患者に連絡が来て追加入力や確認が求められることもあります。スムーズに手続きを進めるためには、会社に「どの書類をいつ送ったのか」「今後の流れ」などを確認しておくと安心です。
治療費を先に支払ってしまった場合の対応
労災扱いであるにもかかわらず、初診時に自己負担で支払った場合は、あとから精算することが可能です。病院で「様式7(療養補償給付たる療養の費用請求書)」を出してもらい、労働基準監督署へ申請することで払い戻しを受けられます。
また、事前に労災申請が済んでいれば、病院側で立て替え処理してくれることもありますので、早めに事情を伝えるのが得策です。
万が一、非指定病院で受診した場合の注意点
労災指定病院以外で受診してしまった場合、自費で支払った費用については別途手続きが必要です。その場合は、様式7に領収書や明細書などを添えて、最寄りの労働基準監督署へ申請しましょう。
申請には一定の時間と手間がかかるため、事前に病院が労災指定かどうかの確認も非常に重要です。
まとめ:手続きは基本的に病院が対応してくれるが確認は必要
労災指定病院であれば、会社から送られてきた書類をもとに、必要な手続きを病院側が代行してくれる場合が多く安心です。ただし、患者自身も労災の申請状況を確認し、窓口で明確に「労災扱いである」ことを伝えることが重要です。支払い済みの費用や診断書などの取扱いも含めて、病院側と連携しながら正確な申請を行いましょう。


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