近年、アルバイトやパートで働く方も社会保険(社保)に加入するケースが増えています。しかし勤務状況の変化や会社都合で「社保を抜けたあとに再加入したい」と思う場面もあるでしょう。特に同じ会社内での店舗異動が関係する場合、再加入の可否や条件が気になるところです。本記事では、社会保険の仕組みや再加入の条件、実際の対応例をわかりやすく解説します。
社会保険の基本的な仕組みとは
社会保険は、厚生年金保険と健康保険を中心とした制度で、主に会社で働く人を対象にした保障制度です。原則として、週の所定労働時間が正社員の4分の3以上であれば、社保の加入対象となります。
ただし、一定の条件を満たす短時間労働者(週20時間以上、月額賃金8.8万円以上など)でも、従業員数が101人以上の企業では社保加入の義務がある場合があります。
一度社保を抜けたら、再加入は可能?
結論から言えば、再加入は可能です。社会保険は「労働条件に応じて適用される制度」なので、過去に抜けていたことがあっても、再度条件を満たせば加入できます。
今回のように、同じ会社内で店舗異動がある場合も、勤務時間や賃金などの条件が満たされていれば、再び社会保険の加入手続きが取られるのが一般的です。
ただし「雇用契約が一旦切れた扱いになる場合」や「新たな勤務先が加入条件を満たしていない場合」は、社保再加入が認められないケースもあるため注意が必要です。
同じ会社内の異動でも雇用条件が重要
たとえ同じ会社内の異動であっても、社会保険の加入は「労働条件ベース」で判断されます。具体的には、以下のような項目が加入可否に影響します。
- 週の所定労働時間(20時間または30時間以上など)
- 月額報酬(8.8万円以上)
- 雇用契約の期間(2カ月を超える見込み)
- 学生ではないこと
つまり、前の店舗で社保を脱退した原因が「シフト削減で労働時間が減った」ことであれば、新店舗で週20時間以上勤務するなど条件を満たせば、再加入が可能です。
実例:社保脱退後に再加入できたケース
ある飲食チェーンで働くAさんは、元の店舗で月の労働時間が減ったため社保から脱退しました。しかし別の店舗に異動後、フルタイムに近いシフトが与えられ、再び月収も基準を上回ったため、2カ月以内に社会保険に再加入しました。
このように、雇用形態や会社との契約条件が変わらなければ、同一企業内での異動で社保が復活することは珍しくありません。
注意点:会社側の対応も要確認
一方で、会社の対応や運用にも差があります。一部の企業では「明確な基準を設けていない」ため、現場での判断や担当者の知識によって誤解や手続き漏れが発生することもあります。
再加入を希望する場合は、「加入条件を満たしているか」を人事担当や店舗責任者に確認した上で、書面でも雇用契約や勤務条件を明確にしておくことが大切です。
まとめ:社保の再加入は条件次第で可能。早めの確認がカギ
一度社会保険を脱退しても、同じ会社内での異動後に再び条件を満たすようになれば、再加入は十分に可能です。重要なのは、労働時間や賃金といった具体的な労働条件に基づいて判断されるという点です。
不明点がある場合は、日本年金機構や勤務先の人事部に早めに相談し、確実な情報に基づいて判断しましょう。
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