結婚や扶養に入ることをきっかけに、パート勤務の保険状況がどう変わるのか不安に思う方は多いでしょう。とくに雇用保険は、「扶養に入ったら外れるのか?」「今の勤続がムダにならないか?」という疑問が出てきます。本記事では、59歳でパート勤務中の方が結婚後に扶養内で働く際、雇用保険をはじめとした社会保険の継続について詳しく解説します。
雇用保険は扶養に入っても継続できる
結論から言えば、雇用保険は配偶者の扶養に入ったとしても継続可能です。扶養とは主に「健康保険」や「税制上の配偶者控除」の制度であり、雇用保険とは制度上切り離されています。
そのため、たとえば月給を扶養の範囲内(年収103万円~130万円未満)に抑えて働いたとしても、労働時間が週20時間以上・31日以上の雇用見込みがある場合、引き続き雇用保険に加入となります。
現在加入中の雇用保険はそのまま継続できる?
10年以上同じ事業所で働いていて、すでに雇用保険に加入済みであれば、就業条件が変わらない限り継続可能です。勤務時間や雇用形態を大きく変更しない場合は、結婚や扶養入りを理由に脱退させられることはありません。
注意点として、大幅に労働時間を減らし、週20時間未満になると資格喪失になる可能性があるため、勤務時間の調整には気をつけましょう。
扶養内に収めたい場合の収入と働き方の目安
配偶者の健康保険の扶養に入るには、年収130万円未満が目安です(地域や健保組合により差あり)。
年収130万円未満に収めるためには。
- 月収108,000円以下を目安にする
- 賞与がある場合は年間トータルで調整
- シフト制であれば繁忙期の出勤に注意
また、税制上の「配偶者控除」「配偶者特別控除」にも影響するため、年収103万円・150万円・201万円の各ラインにも注目しておくとよいでしょう。
60歳を迎える前に確認したい雇用保険のポイント
雇用保険は65歳まで加入可能で、60歳以降は「高年齢雇用継続給付」なども対象になります。今のまま働き続けると。
- 失業した際に「基本手当」がもらえる可能性あり
- 雇止めなどの際に「特定受給資格者」として扱われやすい
- 将来的に高年齢者給付が受けられる
逆に、雇用保険を途中でやめると、これらの給付を受けられなくなるため、雇用保険は維持しておくメリットが非常に大きいです。
実例:結婚後に扶養内で働きながら雇用保険を維持したケース
実際に、59歳で結婚し、月収を扶養内に調整して働き続けたBさんは、雇用保険の加入条件を維持しながら、配偶者の健康保険にも入りました。
その結果、雇用保険による失業給付・高年齢継続給付の対象となり、将来的なリスクにも備えつつ生活費も節約できたとのことです。
まとめ
・雇用保険は扶養に入っても原則継続可能。勤務時間や契約内容の変更がなければ脱退にはなりません。
・年収130万円未満に抑えることで健康保険の扶養に入ることができますが、週20時間未満になると雇用保険が外れるリスクあり。
・59歳から60歳以降の雇用保険の恩恵は大きいため、無理のない範囲で資格を維持するのがおすすめです。
扶養と雇用保険は別制度。制度の仕組みを理解して、安心して働き続けるための判断をしましょう。
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