近年、海外旅行中にデビットカードを使ってATMから現地通貨を引き出す人が増えています。しかし、操作ミスや現地ATMの仕様によって、現金が引き出せなかったにもかかわらず、口座から引き落とされるというトラブルも報告されています。この記事では、特に三井住友カードのような日本のデビットカードを海外ATMで使用する際に起こりうる問題と、その対処法について解説します。
海外ATMでのトラブルの典型例
海外ATMでよくあるのが、為替レートの表示後に「ACCEPT」または「REJECT」の選択を求められる画面です。ユーザーが「REJECT」を選択したにもかかわらず、カード会社から引き落としが行われたというケースがあります。
この原因の一つとして、ATMの仕様によっては「REJECT」を押した後も、通信エラーや処理のタイミングにより、仮の引き落とし(オーソリゼーション)が実行されてしまう可能性がある点が挙げられます。
なぜ現金を受け取っていないのに引き落とされたのか?
デビットカードの仕組み上、ATMにリクエストを送った時点で「即時引き落とし」が発生します。仮に現金が出なかった場合でも、処理が完了してしまえば金額は一時的に口座から引かれてしまいます。
このようなトラブルが起きやすいのは、通信環境が不安定な地域や、マイナーな銀行ATMを利用した場合などです。また、レートの提示後に手数料込みの金額で「OK」を押すと、高額な為替手数料が発生するケースもあります。
こうしたトラブルが発生したときの対処法
1. まず、カード利用明細を確認し、該当の引き落としが「仮押さえ(オーソリ)」か「確定決済」かをチェックします。
2. 次に、ATMを利用した日・時刻・場所・ATMの設置銀行名を記録し、カード発行会社に電話または公式フォームで問い合わせましょう。
三井住友カードでは、デビットカードにおいても取引調査を依頼することができます。現金が出てこなかった旨を明確に伝えることで、返金処理がなされる可能性があります。
ATM画面に表示される為替レートと実際のレートの違い
海外ATMでは、ATM運営銀行が独自の為替レート(Dynamic Currency Conversion:DCC)を適用することがあります。これは国際ブランド(VisaやMastercard)の通常レートに比べてかなり不利なレートであることが多いです。
この画面で「ACCEPT」を選ぶとDCCレートが適用され、「REJECT」を選べばカード会社側の為替レート(通常、より有利)になります。ただしREJECT後に取引が完了しないよう、慎重に操作を行いましょう。
未承認取引が確定された場合の申立て方法
現金を受け取っていないのに確定された場合は「返金申請」を行うことが可能です。カード会社にて調査が実施され、現地ATMとの通信記録などをもとに判断されます。
返金までには数週間かかることが多く、その間は一時的に口座残高が減るため、旅行中の資金管理には注意が必要です。
まとめ:海外ATMでは冷静かつ慎重に操作を
海外ATMでデビットカードを使用する際には、為替レートの提示や選択画面を慎重に操作する必要があります。トラブルが発生した場合には、すぐにカード会社へ連絡し、記録を残すことが重要です。
不安な場合は、大手銀行のATMを利用し、カード会社のアプリで常時利用履歴を確認できるよう準備しておくと安心です。
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