退職後も体調不良で働けない場合、傷病手当金で生活を支えるケースがあります。しかし「傷病手当が終わったあとに失業手当は受け取れるのか?」「離職票や就労許可証は必要なのか?」と疑問に思う人も多いでしょう。この記事では、傷病手当金受給後に失業手当を受け取るためのポイントや注意点を、制度の仕組みに沿ってわかりやすく解説します。
傷病手当金受給中でも、失業手当は“猶予”される
原則として、雇用保険の失業給付(基本手当)は「就労可能な状態」でなければ受給できません。つまり、傷病手当金を受け取っている間は、失業手当は“受け取れない”のが原則です。
しかし、離職後に病気やケガで就労不能な場合は、失業手当の受給期間(原則1年)が最大4年まで延長できる「受給期間延長申請」を行うことで、回復後に改めて失業手当を請求できます。
離職時の必要書類:離職票と受給期間延長の届け出
退職後すぐに体調が回復しない場合、ハローワークに以下を提出しましょう。
- 離職票(1・2)
- 雇用保険受給期間延長申請書
- 医師の意見書または診断書
これらを提出すれば、傷病手当金の受給期間中は“待機”扱いとなり、治癒後にハローワークで失業給付を受けることが可能になります。
傷病手当受給後に失業手当を受ける手順
たとえば以下のような流れになります。
- 退職 → 傷病手当金の受給開始
- 離職票を受け取ったら、ハローワークで延長申請
- 体調が回復したら、ハローワークで失業手当の申請
この際、医師から「就労可能」との診断が出ることが必要です。
半年後に回復して申請すれば、延長しておいた受給期間の範囲内で失業給付を受けられる可能性が高いです。
実例:実際に受給したケース
たとえばある女性は、退職後すぐにうつ病で傷病手当金を受給し、ハローワークで受給期間の延長を申請。その後8か月後に就労可能と診断され、失業手当を受給できました。
このように、制度を正しく活用すれば、傷病手当後のセーフティネットとして失業手当を受け取ることが可能です。
注意点:受給期間のカウントに注意
失業給付の受給期間延長は、最大3年間の延長が可能で、合計で4年以内に手続き・申請を完了する必要があります。延長期間の中でも早めに回復すれば、すぐに失業手当を受給開始できます。
また、傷病手当金の支給が終わった後すぐにハローワークで「受給開始の申し出」をすることが大切です。
まとめ:適切な手続きで傷病手当と失業給付の両方を活用しよう
退職後に傷病手当金を受給していたとしても、受給期間延長制度を利用すれば、体調回復後に失業給付を受けることは可能です。ポイントは「離職票の確保」「受給期間延長申請」「医師の就労許可」の3点です。
不安な方は、事前にハローワークへ相談し、今後のスケジュールを明確にしておくと安心です。
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