会社員から自営業や無職に変わると、社会保険から国民健康保険(国保)や国民年金に切り替える必要があります。その際に気になるのが、税金や保険料の支払い義務です。本記事では、社保・国保それぞれで支払うべきものや、切り替え時に納める必要のある項目を整理します。
■ 社会保険加入中に会社が納めている税・保険料
会社員であれば、以下の保険料が給与から天引きされ、会社と労働者が折半で支払います。
- 健康保険料(協会けんぽなど)
- 厚生年金保険料
- 雇用保険料
- 介護保険料(40歳以上)
これらは毎月の給与から差し引かれ、企業が代行して納付するため、個人が税務署等に出向いて支払う必要はありません。
■ 国保に切り替えた際に支払う主な税・保険料
一方で、社会保険を脱退し、国民健康保険に切り替えた場合、以下の税・保険料の支払いが個人単位で発生します。
- 国民健康保険料(市区町村に納付)
- 国民年金保険料(日本年金機構に納付)
- 住民税(前年の所得に応じて決定)
- 森林環境税(市区町村により年額1,000円程度)
特に国保と国民年金は自己負担100%となるため、社保時代より負担が重く感じる方も多いでしょう。
■ 森林環境税とは?
森林環境税は令和6年度から全国一律で導入され、住民税とあわせて1人年間1,000円を徴収されます。
これは国保加入者・社保加入者を問わず支払い義務があるものであり、住民税の一部として請求されます。
■ 国保加入後の手続きとスケジュール
国保加入時には、市区町村の窓口で手続きを行います。その後、保険料の通知書が郵送され、通常は毎月または年4期に分けて支払います。
国民年金についても、加入後に日本年金機構から納付書が送られてきます。支払いは毎月16,590円(令和6年度時点)です。
■ 社会保険と国保で異なる納税の考え方
社会保険: 給与天引き+会社負担で自動納付
国保・国民年金: 個人で納付書により支払う必要あり
支払い方法の違いから、国保に切り替えた直後は「自分で納めなければならない負担」が一気に可視化され、注意が必要です。
■ よくある質問と注意点
Q: 国保加入時に社会保険分の税金も支払うの?
いいえ。国保では「健康保険料」や「国民年金」などを別々に支払う形式となり、税金とは別に扱われます。
Q: 社保と違い、なぜ国保は高く感じる?
企業負担がない分、保険料全額を自分で負担するため、金額的に割高に感じられることが多いです。
まとめ
・社会保険は会社と折半で納めているため、個人負担が軽減されている
・国保に切り替えると、健康保険・年金・住民税などを個人で納付する必要がある
・森林環境税などの地方税も追加される可能性がある
・切り替え時は役所での手続きを忘れず、納付スケジュールも事前に把握しましょう
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