障害年金を申請する際、最も重要な要素の一つが「初診日」の証明です。しかし、長期間にわたる病歴がある場合、カルテが破棄されていることも多く、初診日の証明が困難になるケースもあります。本記事では、初診日を証明する方法や、難しい場合の対応策について解説します。
障害年金の申請における初診日の重要性
障害年金の申請では、初めてその病気や障害で医療機関を受診した日(初診日)が重要な要件となります。これは、年金制度上、「初診日時点での加入年金制度」により、受給できる年金の種類(国民年金・厚生年金)が決まるためです。
本ケースのように、先天性心疾患が原因の場合、20歳前傷病による障害基礎年金が対象となる可能性があります。ただし、そのためには初診日の証明が必要になります。
初診日の証明方法
初診日を証明するために、以下の方法を試すことができます。
1. 現在通院している医療機関からの診療情報提供書
現在通院しているE病院に、過去の紹介状や診療情報を確認してもらい、「初診日の推定が可能な書類」を作成してもらう。
2. 障害者手帳の取得履歴
障害者手帳を3歳時点で取得している場合、市町村役場や福祉事務所に問い合わせ、当時の診断書の内容や手帳発行の記録が残っているか確認する。
3. 健康保険の診療履歴
健康保険の「受診歴」を調べることで、過去の通院履歴が分かる場合があります。健康保険組合や市区町村の国民健康保険窓口に問い合わせてみましょう。
4. かかりつけ医の意見書
過去の主治医が他の医療機関に異動している場合、その医師に診療の記憶や診療記録がないか確認し、意見書を作成してもらうことで証明の一助になることがあります。
初診日が証明できない場合の対処法
もしも初診日が明確に証明できない場合でも、以下の方法で対応できる可能性があります。
1. 申立書の作成
自身の通院歴や病歴を整理し、「申立書」として日本年金機構に提出する。診療記録がない場合でも、患者本人の記憶や通院歴を詳細に記載することで、認められるケースがあります。
2. 第三者証言の活用
両親や兄弟の証言が難しい場合でも、過去に一緒に病院へ行った親族や知人、医療従事者(看護師など)がいる場合は、その証言を文書として提出することができます。
3. 専門家(社労士)に相談
初診日の証明が困難な場合、社会保険労務士(社労士)に相談することで、適切な対応策を見つけることができます。特に障害年金専門の社労士は、このようなケースの経験が豊富なため、相談してみる価値はあります。
まとめ:証明が難しい場合でも諦めない
障害年金の申請では初診日が重要な要件ですが、証明できない場合でも、健康保険の診療履歴、障害者手帳の取得記録、申立書や第三者証言などを活用することで、申請が可能になるケースもあります。
また、年金機構や社労士に相談することで、適切な対応策を見つけることができるため、諦めずに情報収集を続けることが大切です。
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