故人の口座は解約できる?遺族が知っておきたい預金解約と相続の基本

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身近な人が亡くなったあと、銀行口座に預金が残っている場合、「解約できるのか?」「お金はどうなるのか?」と不安になる方も多いでしょう。実は、故人の口座は勝手に引き出すことはできず、一定の手続きを経て初めて解約や引き出しが可能になります。この記事では、遺族が知っておくべき口座の凍結・解約・相続の流れについてわかりやすく解説します。

故人が亡くなると口座はどうなる?

銀行は口座名義人が死亡したことを知ると、該当口座を即時「凍結」します。凍結されると、預金の出金や振込、引き落とし、クレジットカードの引き落としなど一切が停止されます。

この対応は故人の財産を守るためであり、相続人同士のトラブルや不正出金を防ぐ目的もあります。

解約には相続手続きが必要

凍結された口座は、法定相続人の間で遺産分割協議を行い、誰がその預金を受け取るかを決定した上で、解約や払い戻し手続きを行います。口座にお金が残っていても、正式な相続手続きが完了しなければ解約はできません。

この際、銀行に提出が求められる主な書類は以下の通りです。

  • 死亡診断書(または除籍謄本)
  • 相続人全員の戸籍謄本
  • 遺産分割協議書(または遺言書)
  • 相続人全員の印鑑証明書
  • 解約手続き用紙(銀行所定)

複数人の相続人がいる場合の注意点

相続人が複数いる場合、誰か一人が勝手に解約や引き出しをすることはできません。全員の同意と署名・押印が必要です。相続争いを避けるためにも、円満な話し合いと書面での記録が重要です。

例えば、兄弟間で口頭の合意だけで動くと、後々「聞いていない」と揉めるケースも少なくありません。

預金解約と相続税の関係

口座に残っているお金は「遺産」に含まれます。基礎控除を超える場合は相続税の課税対象になるため、税理士や専門家への相談も検討しましょう。

なお、相続税の申告期限は「相続開始(=死亡)から10ヶ月以内」です。預金以外の不動産や有価証券を含めた全体で判断されます。

名義変更でなく解約になる理由

故人の口座は、基本的に「名義変更」ではなく「解約+新規口座への入金」という流れになります。理由は、口座名義は個人と銀行との契約であり、死亡と同時にその契約が終了するからです。

そのため、残高を引き出すには口座を解約し、相続人の口座に振り込む形が一般的です。

まとめ:遺族の手続き次第でスムーズな解約が可能に

たとえ口座に多額の預金が残っていたとしても、故人の口座はすぐには使えません。適切な書類をそろえて相続人全員の同意を得ることで、解約と払い戻しは可能になります。突然のことで混乱しやすい相続手続きですが、事前に流れを知っておくことでトラブルを未然に防ぐことができます。

心配な場合は、信頼できる銀行窓口や行政書士・税理士に相談してみましょう。

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