定期預金や国債の利率が低い中で、積立利率4.61%と聞けば「お得かも」と感じる方も多いでしょう。特に高齢のご家族をお持ちの方にとっては、資産運用の選択肢として魅力的に見えるかもしれません。しかし、高利率には必ずリスクも伴います。この記事では、三井住友海上プライマリー生命の「しあわせ、ずっと4」が本当にお得な商品なのか、特に高齢の契約者にとって注意すべきポイントを中心に解説します。
「しあわせ、ずっと4」とはどんな保険商品?
「しあわせ、ずっと4」は、円建ての一時払終身保険です。積立利率が4.61%と明記されており、契約時の利率が一定期間保証されるという設計になっています。
一括で保険料を支払い、死亡時や解約時に返戻金や保険金が支払われる仕組みで、「相続対策」や「資産の安定運用」を目的とする人に向いているとされています。
83歳での契約に潜むリスクとは
積立利率4.61%は魅力的に見えますが、高齢者の契約には注意点が多く存在します。
- 一時払いで元本がロックされるため、急な資金需要に対応できない
- 早期解約時の返戻金が元本を下回る可能性がある
- 保険会社が破綻した場合、元本保証はされない
特に高齢の方は、「いつでも使えるお金」を残しておく柔軟性が重要になります。
運用益と相続メリットの両立を図れるか?
保険金は受取人固有の財産として相続税の非課税枠(法定相続人×500万円)が適用されるため、相続税対策として使われるケースがあります。
ただし、非課税枠を超えたり、他の金融資産と合わせて相続税対象になる場合は、税理士やFPへの相談が必要です。
他の選択肢と比較した場合の検討ポイント
仮に100万円を年利4.61%で10年間複利運用すると、約157万円になります。一見お得に見えますが、以下の点で比較検討する価値があります。
- 公社債投資信託など、より流動性の高い金融商品
- 変動10年国債(税引後利回り0.6~1.0%)の安全性
- 老後資金を即時に使える普通預金・定期預金との使い分け
利率だけで判断せず、本人のライフスタイルや資金ニーズを総合的に考えることが大切です。
金融庁や消費者庁も注意喚起する「高齢者向け保険」の落とし穴
近年、消費者庁は「高齢者向け保険商品の誤認契約」に関して注意喚起を行っています。積立利率や解約返戻金の説明が不十分なまま契約されるケースも報告されています。
「よく分からないけど勧められたから」ではなく、パンフレットの細かい数字までしっかり確認することが必要です。
まとめ:高利率に飛びつく前に、柔軟性と安全性の視点を忘れずに
三井住友海上プライマリー生命「しあわせ、ずっと4」の積立利率4.61%は確かに高利率で魅力的に映りますが、83歳という年齢や一括資金拘束、流動性リスクを加味すると、万人向けの「お得な商品」ではありません。
契約前には、金融機関だけでなく、独立系FPや税理士など、第三者の意見も取り入れることを強くおすすめします。
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