なぜ共働きでも家計が苦しい?現代の家計事情と背景にある5つの要因を解説

家計、節約

共働き世帯が当たり前となった現代においても、「家計が苦しい」と感じる家庭は少なくありません。なぜ収入が2人分あるにもかかわらず、生活が楽にならないのか。その背景には、時代の変化とともに生まれた複数の要因が絡んでいます。本記事では、共働き世帯でも家計が苦しくなる理由を詳しく解説します。

1. 物価上昇と実質賃金の停滞

まず最も大きな要因の一つが、物価上昇(インフレ)です。食品、エネルギー、教育費、住宅費など、多くの生活必需品が値上がりしており、支出が増加しています。

一方で、ここ20年間で日本の平均賃金はほとんど上がっていないというデータもあり、特に非正規雇用者や派遣労働者の比率が高まる中で、実質賃金は伸び悩んでいます。

2. 教育費や習い事への支出増加

「子どもにはよりよい教育を受けさせたい」という親心から、塾や習い事にかけるお金が年々増加しています。私立学校への進学や中学受験を選択する家庭も増えており、教育費は家計を圧迫する大きな要因となっています。

文部科学省の調査では、私立中学・高校・大学に通う場合、年間で100万円以上の教育費がかかるケースも珍しくありません。

3. 保育料・学童など共働き特有の支出

共働きであるがゆえに発生するコストも存在します。特に子育て世帯では、保育園や学童保育の利用料が月々の固定費としてかかります。これらは、専業主婦(主夫)家庭では発生しない支出です。

また、子どもの送迎や長期休暇中の預かり保育の確保のために、追加で民間サービスを利用する家庭も増えており、出費がかさむ傾向があります。

4. 住宅ローンや家賃の負担増加

都市部への人口集中に伴い、住宅価格や家賃も上昇しています。共働きを前提に住宅ローンを組んでしまうと、どちらかの収入が減った場合のリスクが大きくなります。

実例として、都内でマンションを購入した30代夫婦では、2人の収入を基準に組んだ月15万円のローン返済が重荷となり、家計のゆとりが少ないという声もあります。

5. ライフスタイルの高度化と支出の多様化

現代はスマートフォン、サブスクリプション、外食、旅行、趣味など、「普通の生活」の水準が上がり、それに伴って支出も多様化しています。

たとえば、スマホ代、動画配信サービス(Netflix、Amazon Primeなど)、音楽アプリ、クラウドストレージなど、数千円規模の固定費が積み重なり、年間では大きな額になることもあります。

6. 税金と社会保険料の負担増

共働きになることで世帯収入は上がりますが、その分所得税や社会保険料の負担も増加します。特に扶養の壁を超えた場合、保険料負担が急増し、「働いても手取りが増えない」と感じるケースもあります。

「130万円の壁」や「配偶者控除の廃止」など、税制度の変更も共働き世帯に影響を与えています。

まとめ:収入増だけでは追いつかない時代に

夫婦共働きでも家計が苦しく感じられる背景には、物価上昇、教育費、住居費、育児関連費、そしてライフスタイルの変化など、さまざまな要因が複合的に絡んでいます。

単純な「収入の増加」だけでなく、支出の見直しや制度の理解、将来を見据えた家計設計が求められる時代になっていると言えるでしょう。

コメント

タイトルとURLをコピーしました