退職給付金と失業手当の違いとは?仕組みと受け取り方をやさしく解説

社会保険

退職後に受け取れるお金にはさまざまな種類がありますが、「退職給付金」と「失業手当」は混同されやすい言葉のひとつです。本記事では、それぞれの意味や仕組み、受け取る条件の違いを具体例を交えて解説します。

退職給付金とは?

退職給付金とは、企業が従業員に対して退職時に支払うお金のことを指します。これは企業ごとに定められた退職金制度に基づき支払われるもので、労働基準法で義務付けられているものではありません。

たとえば、大手企業では勤続年数に応じて一定の金額を支給する制度があり、勤続20年の従業員が退職すると300万円の退職給付金が支給されるケースもあります。

企業によっては「確定給付企業年金」や「確定拠出年金」といった制度を導入しており、それらの一部として退職給付金が支払われる場合もあります。

失業手当とは?

失業手当は、正式には「雇用保険の基本手当」と呼ばれ、ハローワークを通じて支給される公的な給付金です。失業中の生活を支えることが目的で、受給には一定の条件を満たす必要があります。

たとえば、自己都合退職をした場合は、一定の待機期間(原則7日間)と3ヶ月の給付制限期間のあとに支給が始まります。支給額は退職前の給与額や年齢、被保険者期間などによって決まります。

一方で、会社都合による退職であれば、待機期間終了後すぐに支給が始まるケースもあります。

退職給付金と失業手当の違い

両者は性質も支給元も異なります。退職給付金は企業が自主的に支払うものであるのに対し、失業手当は国(ハローワーク)が管理する雇用保険制度から支給されます。

また、退職給付金は退職時に一時金または年金形式で支給されますが、失業手当は失業期間中に定期的に支給されるという違いもあります。

ポイント: 退職給付金があっても、失業手当の受給には影響しないケースが多く、両方受け取ることが可能です。

受け取るにはどうすればいい?

退職給付金を受け取るには、企業の人事部門から案内される手続きに従い、所定の書類を提出する必要があります。企業によっては、退職後数ヶ月経ってから振り込まれることもあります。

失業手当を受け取るには、ハローワークに離職票を提出し、求職の申し込みを行う必要があります。その後、認定日ごとに出頭し、失業状態であることを報告することで給付が継続されます。

両方の手続きが異なるため、それぞれの窓口でしっかり確認することが重要です。

誤解されやすいポイントと注意点

「退職給付金=失業手当」と誤解している方もいますが、それぞれの目的や支給元が異なるため、別物として理解することが大切です。

また、退職給付金を一時金で受け取ると所得税の対象になりますが、一定の控除があるため、税務署や専門家に確認するのが安心です。

失業手当を受給している間にアルバイトなどで収入が発生すると、給付が停止または減額される場合があるので注意が必要です。

まとめ

退職給付金と失業手当は、どちらも退職後に関係するお金ですが、仕組みや支給条件、手続きが大きく異なります。退職時には両者の違いを理解し、正しく申請・受給することが重要です。

自分の退職理由や今後の予定に合わせて、退職給付金や失業手当を賢く活用しましょう。

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