紙の保険証とプラスチックの保険証の違いとは?廃止の背景と今後の医療保険のかたち

社会保険

最近テレビやネットで話題になっている「紙の保険証の廃止」。これを聞いて、「プラスチックの保険証はどうなるの?」「保険証自体がなくなるの?」と疑問に思う方も多いかもしれません。この記事では、紙の保険証とプラスチック保険証の違い、なぜ紙だけが廃止されるのか、そして今後の医療保険の在り方についてわかりやすく解説します。

紙の保険証とは何か?

現在日本で一般的に使われている健康保険証は、「紙製のカード型保険証」です。これは紙素材をラミネート加工したもので、保険者(企業や自治体など)ごとに発行されています。表面には氏名・生年月日・被保険者番号・保険者名などが記載されており、病院の窓口で提示することで医療を受けることができます。

ただし「紙の保険証」といっても、見た目はカードのようにしっかりしているため、「プラスチック製」と混同されやすいのが特徴です。実際には「プラスチックのように見える紙カード」が主流となっています。

プラスチックの保険証は存在する?

一部の健康保険組合や共済組合などでは、完全なプラスチック製のICカード型保険証を導入しているケースもあります。ただし、それは非常に少数派で、大半の日本人が持っているのは紙製(ラミネート)保険証です。

したがって、「紙の保険証が廃止される=保険証自体がなくなる」というよりも、「従来のアナログな健康保険証から、マイナンバーカードによるオンライン資格確認へ移行する」ことが正確な理解です。

なぜ紙の保険証だけが廃止されるのか?

政府は2024年12月に現在の紙の健康保険証を原則廃止し、「マイナ保険証(マイナンバーカードと一体型)」に一本化する方針を発表しました。理由は以下の通りです。

  • 医療現場での保険資格確認の迅速化
  • 転職・引越し時の保険証更新の手間の削減
  • 医療費控除や薬剤情報の一元管理の実現
  • 偽造やなりすましの防止

要するに、医療制度を「紙」から「デジタル」へと移行させることで、利便性と効率性を高めようというのが背景です。

今後の保険証の使い方と注意点

2024年12月以降、すべての人がマイナンバーカードで保険資格を確認できるようになります。紙の保険証は基本的に発行されませんが、一定期間は経過措置として交付される可能性があります。

ただし、マイナンバーカードを紛失した場合や未取得の場合の対応については、保険者(自治体や企業)による個別対応となる見込みです。したがって、早めのマイナンバーカード取得と、マイナポータルへの登録をしておくと安心です。

実際の事例:切り替えに困ったケース

ある60代の女性は、紙の保険証の有効期限が切れたあとにマイナンバーカード未取得で受診しようとしたところ、窓口で「保険証が使えない」と言われ、一時的に10割負担で医療費を支払ったというケースがありました。

その後、健康保険資格の証明書を発行してもらうことで、後日返金されましたが、こうした混乱を避けるためにも制度の理解と準備が大切です。

まとめ:紙からデジタルへ、医療保険も転換期

紙の保険証の廃止は、医療制度全体のデジタル化への大きな一歩です。プラスチックの保険証というものは基本的には存在せず、見た目に惑わされないことも大切です。マイナンバーカードと健康保険の連携によって、これまでの不便さを解消し、よりスムーズな医療の提供が期待されます。今後の医療現場の変化に備え、情報を正しく理解し、準備を進めておきましょう。

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