長年無事故で積み上げた自動車保険の等級。車を手放した際も「中断証明書」を取得すれば、最大7年間はその等級を温存できます。しかし、中断証明書の取得には条件があり、手続きのタイミングを間違えると大切な等級が消滅してしまうこともあります。
中断証明書とは?等級を温存するための制度
自動車を一時的に所有しなくなる場合、再契約時に過去の等級を復活できるようにするのが「中断証明書」の役割です。等級が高いほど保険料が安くなるため、20等級などを保有している場合は中断証明書の取得が非常に重要です。
制度上、中断証明書を取得すると、最長7年間は等級を維持したまま再契約が可能です。
中断証明書を発行できる条件
中断証明書の発行には主に以下のような条件が必要です。
- 保険契約者が車を譲渡・廃車・返却などの理由で手放したこと
- 中断の理由となる手放しが保険契約期間中に行われたこと
- 手続きは中断後13か月以内に行うこと
重要なのは、保険契約が有効である期間中に車を手放している必要がある点です。契約終了後に車を手放しても、制度上「中断に該当しない」と判断される可能性が高くなります。
契約終了後の車の売却では中断証明が出ない?
今回のように「契約終了後(例:9月末)→ 車を売却(例:12月)」という順番であった場合、保険会社は「中断時点で保険契約が存在しなかったため無効」と判断します。
つまり、中断証明書の対象とならないため、等級は引き継がれずリセット(6等級)からの再スタートになることが多いのです。
等級が消えるリスクを防ぐためのポイント
貴重な等級を守るためには、以下の点を意識することが大切です。
- 車を手放す前に保険契約を解約しない
- 中断手続きは保険会社に必ず相談しながら行う
- 売却予定日と保険期間を調整しておく
保険契約を解約してしまった後に車を手放すと、契約実績と無関係な扱いとなるため、保険会社側も「中断証明の対象外」と判断するのが通例です。
保険会社ごとの対応に違いも
「大人の自動車保険(セゾン自動車火災保険)」など、保険会社ごとに中断証明の取扱い方針には微妙な違いがあります。
たとえば、セゾン自動車火災保険の公式Q&Aでは「契約終了後の中断証明発行は不可」とされています。したがって、納得できない場合でも、保険契約時に記載されていた規約に従って処理されるのが原則となります。
どうしても等級を復活させたい場合の対策
例外的に、以下のような手段が有効なケースもあります。
- 契約終了日と車の譲渡証明書の日付を確認し、契約期間中に車を手放していた証拠があれば交渉する
- 等級保存に強い代理店型保険会社へ相談してみる
ただし、証拠がない場合や書類が揃わない場合は難しいため、次回以降は契約終了前の早めの行動が重要です。
まとめ:契約終了後の車売却では中断証明は原則NG
自動車保険の中断証明書は、「保険契約が有効なうちに車を手放すこと」が前提条件です。契約終了後に車を売却しても、制度上の要件を満たさないため、20等級はリセットされてしまう可能性が高いです。
大切な等級を守るには、保険会社への事前相談と、売却・解約のタイミングをしっかり管理することが重要です。
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