初めての就職やアルバイトで厚生年金に加入した際、「国民年金との関係がよくわからない」と悩む方も多いのではないでしょうか。特に短期の勤務や家族が年金を代わりに支払っていた場合、知らないうちに二重に支払っていた可能性も考えられます。今回は、厚生年金と国民年金の違いや重複支払いのリスク、実際の対応方法について解説します。
厚生年金と国民年金の違いとは？
日本の公的年金制度は2階建て構造になっています。すべての20歳以上60歳未満の人が対象の「国民年金（基礎年金）」に加えて、会社員や公務員などは「厚生年金（2階部分）」に加入します。
厚生年金に加入している期間中は、自動的に国民年金の加入義務も果たしたことになっており、国民年金の別途支払いは必要ありません。
厚生年金加入時に国民年金保険料はどうなる？
会社員として厚生年金に加入すると、国民年金分も含めた保険料が給与から天引きされるため、個人で国民年金を支払う必要はなくなります。
一方、厚生年金に加入したことを年金機構へきちんと届出ていない場合、引き続き国民年金の納付書が届き、誤って支払ってしまうケースもあります。
実際に起こりうる「年金の二重払い」
例えば、次のようなケースが該当します。
- アルバイトで厚生年金に加入（勤務先が手続き済み）
- 同時期に家族が国民年金を支払っていた（納付書を見て）
この場合、国民年金と厚生年金の「二重払い」が発生している可能性があります。実際には国民年金の支払いは不要であるため、還付請求の対象になることがあります。
重複支払いが疑われる場合の確認方法
まずは、自分の年金記録を確認しましょう。次の手段が便利です。
- ねんきんネットで年金加入記録をチェック
- 最寄りの年金事務所で加入履歴の照会
- 「基礎年金番号」がわかれば電話照会も可能
厚生年金に加入していた期間に、国民年金保険料が納付されていた記録があれば、重複支払いと判断されます。
重複支払いをしていた場合の対処法
重複が確認されたら、年金事務所にて「還付請求」の手続きを行うことができます。払い過ぎた国民年金分が本人または支払者に返金されます。
注意点として、還付請求には時効（2年以内）があるため、早めの確認が重要です。
バイトや短期就労時の注意点
短期バイトでも、労働時間や勤務日数が一定以上（週20時間以上など）であれば厚生年金の対象になることがあります。そのため、アルバイト＝国民年金という先入観は危険です。
初めて厚生年金に加入する場合は、会社側が「資格取得届」を日本年金機構に提出することで、加入情報が自動的に更新されます。手続き漏れや情報のずれがあると、二重払いの原因になります。
まとめ：過払いを防ぐために早めの確認を
厚生年金と国民年金は性質の異なる制度ですが、重複して支払う必要はありません。厚生年金加入中に国民年金を支払った場合、不要な負担となることがあるため、ねんきんネットで履歴を確認し、必要に応じて還付手続きを行いましょう。特に家族が支払いを代行している場合などは注意が必要です。
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