家族が支払っている生命保険料を自分の年末調整で申告できるのかどうかは、多くの社会人が一度は迷うポイントです。特に名義が親のままになっているケースでは、誰が控除を受けられるのか仕組みが分かりにくいものです。この記事では、保険料控除の基本的な仕組みや名義・支払い状況による違いを分かりやすく整理して解説します。
生命保険料控除は「支払った人」が受けられる仕組み
生命保険料控除は、基本的に実際に保険料を負担している人が控除を受けられます。つまり、名義が誰であっても「自分が実際に払っている」ことを証明できれば、その人が控除対象になります。逆に、名義が自分でも、支払いが親であれば、親が控除を受ける形になります。
例えば、保険契約者が母親で、保険料の引き落としも母親の口座からされている場合、一般的には母親が負担者として控除を受けるのが自然です。同時に、証明書(控除証明書)が母の元に届くため、会社の年末調整でも母が提出する形になります。
名義と支払いの関係が複雑な場合はどうなる?
実際には、名義と支払いが複雑な家庭もあります。例えば「保険料は母の口座から引き落とされているが、その分を毎月本人が母に手渡している」というケースです。この場合、実質的に本人が負担していると主張することは可能ですが、証明書の名義や引き落とし状況から、会社の年末調整では認めてもらえないことが多いのが現実です。
なぜなら、年末調整では控除証明書の契約者欄が誰になっているかが非常に重要だからです。契約者=母、支払い口座=母の場合は、形式上も実質上も母の控除と判断されやすくなります。
自分が負担している場合に控除を受けるには?
自分が控除を受けたい場合には、いくつかの方法がありますが、最も確実なのは名義変更と支払い口座の変更を行うことです。これにより、翌年からは控除証明書も自分宛に届き、年末調整で問題なく申告できます。
名義変更の例としては、以下のような流れになります。
- 保険の契約者を母から自分へ変更
- 保険料引き落とし口座を自分の口座に変更
- 翌年度から控除証明書が自分宛に届く
こうした手続きを行うことで、控除の受け皿が明確になり、年末調整でもスムーズに扱えるようになります。
控除を受けた家族から返金してもらうべきか?
もし母が控除を受けているのに、保険料を毎月あなたが支払っている状態であれば、母から控除による税金の差額分を返してもらうという選択肢もあります。これは家庭内で話し合って決めるべき内容ですが、費用負担が公平になるよう調整している家庭も実際にあります。
ただし、これは法律で決まっていることではなく、あくまで家庭内の取り決めの話です。控除を受けた側が必ず返さなければならないというルールはありません。
スムーズな年末調整のために気をつけるべきポイント
混乱を避けるためには、以下のポイントを押さえておくことが重要です。
- 控除証明書は誰の名義で届くか? → 提出者が明確になる
- 誰が実際に支払っているか? → 税制上の控除対象者に影響
- 来年以降どうしたいか? → 名義変更の検討につながる
これらを整理するだけでも、年末調整の対応がスムーズになります。同時に、保険について家族と話し合う良い機会にもなります。
まとめ:名義と支払いを整理して正しい控除を受けよう
生命保険料控除は、名義・支払い・証明書の提出者が一致していることが理想です。現在のように母名義・母の口座から引き落とされている場合は、母が控除を受けるのが自然な流れとなります。
もしあなたが今後控除を受けたいのであれば、名義変更や支払いの見直しを検討することが重要です。また、家族間での負担調整については、互いに納得できる形で話し合うことが大切です。


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