退職時の社会保険料負担は、退職日によって意外と差が出ることがあります。「月末退職は損」とよく聞きますが、それは誰にでも当てはまるのでしょうか?給与の締め日が25日の企業で働いている方が、保険料をなるべく無駄にしない退職タイミングについて詳しく解説します。
社会保険料が発生するのは“月単位”
社会保険料(健康保険・厚生年金)は、資格のある月に対して1ヶ月分課されます。退職日の「属する月」までの保険料がかかる仕組みです。
たとえば、7月31日退職の場合は7月分まで保険料がかかります。逆に7月1日退職であっても、7月分を1ヶ月分支払う必要があるということになります。
「月末退職は損」といわれる理由
理由は単純で、月末に退職すると、その月の社会保険料がまるまる1ヶ月分発生するためです。退職の翌日からは無職であるにもかかわらず、月末まで働いていた場合と同じ金額が差し引かれる点が「損」に見える原因です。
一方で、月の途中で退職すると、その月の社会保険料はかかりません(資格喪失日が月末以外であれば、その月は対象外)。これが「月末を避けるとお得」と言われる背景です。
給与の締日が25日の場合の最適な退職日は?
質問者のように、給与の締日が「毎月25日」の場合、実際の退職タイミングは以下のように考えられます。
- 例:7月24日退職…社会保険は「7月は資格喪失」となり、6月分までの保険料負担で済みます。
- 例:7月31日退職…7月分の社会保険料も発生し、結果的に1ヶ月分多く払うことになります。
そのため、「7月分の社会保険料を払いたくない」なら、7月24日以前の退職が理想です。会社によっては「月末在籍者」に対してのみその月の保険料を天引きするルールを設けている場合もあるので、総務部に確認すると安心です。
退職月の給与と手当の関係
質問者のように、時間外手当や深夜給が前月25日締で翌月25日に支払われるケースでは、退職後に支払われる分は「退職後の給与」として扱われます。しかし、それが社会保険料の計算対象になるわけではありません。
保険料の計算はあくまでも“資格があった月”の標準報酬月額で行われるため、退職後の手当支給は影響しません。ただし、住民税や所得税には影響することがあるため、手取り額には注意が必要です。
再就職までの空白期間と保険の扱い
退職の翌月に新しい職場で働く場合、空白期間が短いため保険料の負担を最小限に抑えられます。ただし、空白の月に一日でも在籍していれば、その月の社会保険料が発生します。退職日が翌月1日などにならないよう注意しましょう。
また、保険証の切替タイミングや医療費の自己負担に備え、必要があれば国民健康保険の短期加入や配偶者の扶養申請も検討してください。
まとめ:無駄なく退職するためのポイント
・社会保険料は退職日の「属する月」分まで支払う必要がある
・給与の締日ではなく、「退職日そのもの」が重要
・可能なら月末ではなく「25日以前の退職」がベスト
・手当の支給タイミングと社会保険料の関連性はなし
・退職後は空白期間の保険対応も忘れずに
退職のタイミングひとつで1ヶ月分の社会保険料を節約できる可能性があります。少しでも手取りを増やしたいと考えるなら、日付の選び方はとても重要なポイントです。制度を理解して、計画的な退職日を選びましょう。
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