車のローン支払いが難しくなったとき、「親に引き取ってもらう」「支払いを代わってもらう」という選択肢を考える方は少なくありません。しかし、その方法によっては「名義貸し」に該当し、法的リスクや信用情報への悪影響を受ける可能性もあります。本記事では、車のローンにおける名義と支払い者の違い、親に譲渡したいときの正しい手続き、そして取るべき選択肢について詳しく解説します。
「名義貸し」とは?避けるべきリスクのある行為
名義貸しとは、実際には利用・所有していないにもかかわらず、自分の名義を使ってローンや契約を結ぶことです。金融機関にとっては契約違反となり、発覚した場合はローンの即時返済を求められる、あるいは法的措置を受けるケースもあります。
たとえば、あなたがローンを組み、その車を親が運転・所有している状態で、毎月の返済額を親から受け取って支払っている場合、金融機関によっては「名義貸し」と判断される可能性があります。
親が車を使う場合にできる合法的な選択肢
名義貸しを回避しつつ、親が車を使い続ける方法は2つあります。
① 車を売却してローン完済する
② ローンを親名義に借り換え(名義変更)する
①の売却では、車を下取りに出して得た金額でローンを完済できる場合、金利負担や名義リスクも解消されます。
②の場合は、親の信用情報・収入状況に応じてローン会社が再審査を行い、借り換え契約を結ぶことが前提です。
車の売却でローンを完済する方法と注意点
車を売却してローンを完済するには、ローン残債よりも高く買い取ってもらう必要があります。
残債が多いと「ローン残債>査定額」となり、不足分は自己負担になります。
例:車のローン残債80万円、査定額70万円 → 不足の10万円を自己資金で補う必要あり。
売却を検討する場合は、複数社の査定を比較できる車一括査定サイトを利用すると高額買取のチャンスが広がります。
ローンの借り換えと名義変更は可能?
親名義に借り換えをするには、ローン会社の承諾と親側の審査通過が必要です。すべてのローン会社が名義変更・借り換えを認めているわけではありません。
この方法のメリットは、ローン支払いと車の使用者が一致することでリスクを最小限に抑えられる点です。ただし、手続きが煩雑で、場合によっては一度ローンを全額返済して再契約する必要があることも。
親子間での合意書を残すことも重要
名義はあなたのままで支払いを親がする状況が続く場合、万が一トラブルが起きたときのために、親子間の同意書や覚書を作成しておくと安心です。
たとえば、「●年●月から車の使用とローン返済を親が行う。トラブル時は協議の上で解決する」といった簡単な文書でも、証拠として役立ちます。
まとめ:名義と使用者が異なる場合は慎重に判断を
ローン名義と車の使用者が異なると「名義貸し」になるリスクがあるため、原則として売却または親名義への借り換えを検討するのが望ましい選択です。感情面では譲れない事情があるかもしれませんが、金融契約では法的なリスクと向き合うことが大切です。
迷ったときは、ローン会社や自動車販売店、あるいは消費生活センターなどの第三者に相談してから行動に移しましょう。
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