傷病手当金は、病気やけがで会社を休んだ際に支給される重要な制度です。しかし、申請が複数枚に分かれる場合、「待機期間が何度も発生するのか?」と疑問を持つ方も多いでしょう。本記事では、傷病手当金の待機期間の考え方や、複数回に分けた申請時の注意点を解説します。
傷病手当金の基本的な仕組み
傷病手当金とは、健康保険に加入している被保険者が、病気やけがで労務不能となり、連続して3日以上会社を休んだ場合、4日目から支給される制度です。これを「待機期間3日」と呼びます。
この3日は有給休暇であっても構わず、無給でなくてもカウントされます。大切なのは「労務不能で会社を休んでいること」が要件です。
待機期間は何度も発生するのか?
同一の傷病による連続した休業であれば、申請が何枚に分かれていても、待機期間は一度だけです。つまり、今回のように「3月25日〜5月30日までの連続した休業」であれば、待機期間は最初の3日間(3月25日〜27日)となります。
途中で復職したり、別の病気で改めて休業した場合は、あらためて待機が必要になりますが、「連続性」がある限り追加の待機は発生しません。
申請が3枚に分かれる理由とは
傷病手当金の申請書は、原則として「1ヶ月ごと」に分けて提出するよう案内されることが多く、休業期間が長期にわたると複数枚になるのが一般的です。
そのため、申請が3枚に分かれていても、それは事務処理上の都合にすぎず、「待機期間が3回分=9日になる」ことはありません。
実例:3月25日から5月30日まで休んだケース
実際に3月25日〜5月30日まで病気療養で休業した場合、待機期間は3月25日・26日・27日の3日間です。支給対象となるのは3月28日からです。
この間を3月分、4月分、5月分と3枚に分けて申請したとしても、3月に待機3日を満たしていれば問題ありません。
注意点:傷病が変わった場合や復職を挟んだ場合
同じ症状で連続した休業であれば、待機は一度で済みますが、以下の場合は再度待機が必要です。
- 復職してしばらく勤務した後に、再度休業した場合
- 異なる病名で休業を始めた場合
このようなケースでは、医師の診断書や申請内容の整合性により、支給可否が判断されるため、保険者への確認が重要です。
申請時のポイントと注意点
複数回に分けて申請する場合でも、医師の記載欄に連続性がしっかりと記載されていることが重要です。診断名・症状・療養期間などが一致していれば、連続した休業とみなされます。
また、申請書の提出時期や添付資料に不備がないよう注意し、必要に応じて勤務先や健康保険組合と連携を取りましょう。
まとめ:待機期間は「1傷病あたり3日」が原則
傷病手当金の待機期間は「連続した休業」であれば1回だけで、申請が何枚に分かれていても追加で日数が加算されることはありません。
ただし、途中で症状が変わったり復職を挟んだ場合は再度の待機が必要となる可能性があるため、迷った際には保険者や職場に相談して確認を取りましょう。適切に手続きすれば、安心して療養に専念できます。
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