人間ドックで「臓器に影がある」と言われた場合、多くの人が不安を感じ、万が一に備えてがん保険などに入りたくなるものです。しかし、このような状況下で保険に加入する際には「告知義務」が重大なポイントとなります。本記事では、再検査前に保険加入した場合のリスクや、適切な対処法について詳しく解説します。
告知義務とは何か?保険契約の重要な前提
保険に加入する際、契約者は健康状態などを正確に保険会社に伝える「告知義務」があります。これは、虚偽の申告や重要な事実の未申告があると、保険金の支払いが拒否される可能性がある制度です。
たとえば、医療機関で「再検査の必要がある」と伝えられていたにもかかわらず、それを保険会社に申告せずに加入した場合、告知義務違反に該当する恐れがあります。
再検査前の状態は告知義務に該当するのか?
再検査を受ける前で「診断は確定していない」状態であっても、医師から「臓器に影がある」と指摘されている時点で、それは「医師の指示に基づく検査予定」とみなされる可能性があり、多くの保険会社は告知が必要と判断します。
また、がん保険の申し込み時の告知書には「過去●カ月以内に検査・治療・診察の指示を受けたか」という項目があるため、再検査予定の情報も原則として告知する必要があります。
告知しなかった場合のリスク
告知義務違反が発覚すると、たとえ実際にがんと診断されたとしても保険金が支払われない、または契約自体が解除されることがあります。さらに、違反が故意または重大な過失と判断されると、過去に支払った保険料も返金されない可能性があります。
告知義務違反は重大な契約違反とされ、契約者にとって不利な結果となることが多いため、自己判断で「まだ診断されていないから大丈夫」と思い込むのは危険です。
どのように対応すべきか?
がん保険の加入を検討している場合は、まず保険会社または担当者に現在の健康状態や再検査予定があることを正直に相談しましょう。その上で、加入が可能かどうか、告知内容の範囲などについて正式な回答を得ることが重要です。
また、再検査の結果が出るまで保険加入を見合わせるか、「結果が出た後に条件付きで加入できる保険」を検討するのも現実的な選択肢です。
例外的に加入可能な保険はあるのか?
一部の無選択型がん保険や簡易告知型保険では、持病や再検査の有無にかかわらず加入できる場合があります。ただし、これらの保険は保険金額が低めであったり、一定期間の免責期間(がんと診断されても保険金が出ない期間)が設けられていたりします。
こうした保険を「つなぎ」として検討することもできますが、商品内容や条件を十分に理解してから契約しましょう。
まとめ:自己判断は避け、専門家へ相談を
人間ドックで異常を指摘され、再検査を控えている状態での保険加入は、極めてデリケートな問題です。告知義務を怠ると大きなリスクを伴いますので、加入前には必ず保険会社やファイナンシャルプランナーに相談しましょう。
将来の安心を得るためには、「今の不安を隠すこと」よりも「正直な申告と正確な判断」が大切です。
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