退職金や遺産などにより高額な金融資産を持つようになった場合、預け先をどう管理するかは非常に重要です。特に1,000万円を超える預金には「ペイオフ制度」の観点からもリスク管理が求められます。本記事では、高額資産の預け先をどう分散させるべきか、またどのように管理すると安心かを解説します。
ペイオフ制度と1,000万円の預金保護について
日本では、銀行が破綻しても預金保険制度により「元本1,000万円とその利息」が保護される制度があります。これをペイオフと呼びます。
つまり、1つの銀行に預けておく金額が1,000万円を超えると、その超過分は銀行破綻時に保護されません。したがって、1,000万円ごとに銀行を分けて預金することで安全性を高めることができます。
複数口座に分けるべきか?具体的な資産管理術
例として、1億円の資産を現預金として保有する場合、10行にそれぞれ1,000万円ずつ分散預金すれば、すべての資産がペイオフの範囲内に収まります。
例:三井住友銀行、三菱UFJ銀行、みずほ銀行、りそな銀行、ゆうちょ銀行、住信SBIネット銀行、楽天銀行、イオン銀行、ソニー銀行、auじぶん銀行
このように大手からネット銀行まで活用して、通帳やアプリでの一元管理を意識すれば、安全かつ効率的に預金管理が可能です。
投資とのバランスと運用スタンスの考え方
新NISAでの運用や株式投資にすでにある程度取り組んでいる場合、これ以上リスク資産を増やす必要はないという考え方も健全です。生活防衛資金として現預金をしっかり確保し、リスク許容度に応じた運用を心がけるべきです。
一方で、インフレや金利変動リスクを意識し、ある程度の資産を「個人向け国債」「定期預金キャンペーン」「円建て社債」などで回す選択肢もあります。
資産が大きくなったら検討したい信託や家族口座
資産が1億円を超えると、「相続」や「贈与」も視野に入れるべきタイミングです。信託銀行や税理士を交えた資産管理設計も考えられます。
また、お子様用に作った通帳があるように、夫婦間で名義分散しておくと、万一の相続時にも手続きがスムーズになります。
通帳・アプリ・証券口座の整理と管理のコツ
複数の銀行口座を持つと管理が煩雑になる可能性もあるため、通帳・キャッシュカード・ログイン情報はまとめて保管し、家族と共有する仕組みも整えましょう。
家計簿アプリ「マネーフォワード」などを使えば、複数口座・証券口座の一元管理が可能になり、資産の見える化に役立ちます。
まとめ:安全と効率のバランスを保った資産分散を
高額資産を安全に管理するには、「1,000万円ごとの銀行分散預金」が基本です。ただし、それに加えて、信頼できる金融機関の選定、利便性の高い口座活用、投資・相続への備えを総合的に考えることが重要です。
今ある資産を堅実に守るために、通帳の分散管理・投資と現金のバランス・家族共有体制を整えていきましょう。
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