日本学生支援機構の奨学金返還における変動金利の仕組みと金利上昇時の注意点

ローン

奨学金を利用している多くの方が不安に感じるのが、変動金利制度の仕組みです。とくに金利が上昇傾向にあるとき、「返済額がどこまで増えるのか?」と気になります。ここでは、日本学生支援機構(JASSO)の奨学金における変動金利型の仕組みと、返還停止中の利息変動などのポイントを解説します。

変動金利方式は返還開始後も毎年見直される

JASSOの第二種奨学金で「利息付き・変動金利」を選んだ場合、利率は返還が始まってからも年に一度見直されます。これは一般の住宅ローンなどの変動金利と同様の考え方です。

返還が始まった時点で金利が決まるのではなく、毎年10月1日時点の長期金利を基に次の4月から適用される新たな利率が算定されます。

返還期間中は利率が上下し、返済総額にも影響

返還期間中に利率が上がれば、その分利息も増えます。たとえば、返還当初は年0.2%の利率だったものが、10年返還の途中で1.0%まで上がれば、その期間中の支払い利息は増加します。

ただしJASSOでは「利率の上限制度」が設けられており、2024年現在、上限は3.0%となっています。

返還猶予・返還期限猶予期間中の利息はどうなる?

失業や経済的困難などを理由に「返還期限猶予(返還停止)」を申請し、認められた場合でも、第二種奨学金は猶予中も利息が発生します。これは返還を停止していても、契約上の貸与額に対する利息計算は続いているためです。

また、猶予期間中も変動金利型の場合は金利の見直しが毎年行われます。そのため猶予中に金利が上昇すれば、復帰後の返済スケジュールや総返済額にも影響を及ぼすことになります。

固定金利方式との違いも理解して選択を

返済開始前に選べる金利方式には「固定方式」もあります。これは返還開始時点の利率が全返済期間にわたって固定されるものです。

現在のような低金利期に固定方式を選べば、将来金利が上がったとしても影響を受けずに済むというメリットがあります。一方で、変動金利よりも初期利率が若干高めに設定されている傾向があります。

具体的な対策:情報収集と制度活用

今後の金利上昇が心配な場合、まずはJASSOの公式サイトで毎年の「貸与利率の推移」を確認する習慣をつけましょう。実際の利率は年度ごとに発表されています。

また、返還期限猶予制度を利用する際には、必ず利息発生の条件と現在の適用利率を確認しましょう。不安があれば、奨学金返還相談センターなどへの問い合わせも有効です。

まとめ:変動金利型は柔軟だが、金利動向への理解がカギ

日本学生支援機構の変動金利型奨学金は、経済状況に合わせて利率が変動する制度です。猶予期間中も含めて毎年金利が見直されるため、返済総額も動く可能性があります。金利上昇が予想される時代には、制度の仕組みを正しく理解し、固定金利との比較や必要に応じた猶予申請など、柔軟に対応していくことが大切です。

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