独身で将来結婚の予定がない場合、「老後資金」や「病気・介護リスク」を一人でカバーする必要があります。30代前半というタイミングは、まだ時間的余裕がある一方で、将来への備えを本格的にスタートさせる大切な時期です。今回は、老後資金を差し引いた上で、今からどのくらいの貯金があれば安心して暮らせるかを解説します。
老後に必要な生活費とその内訳
まず老後に必要な金額を把握しておきましょう。総務省の家計調査によると、単身高齢者の月間生活費は約15万円〜17万円。これをもとに、65歳から90歳までの25年間で必要な生活資金を試算すると、約5,000万円前後となります。
ただしこのうち年金である程度カバーできるため、実質的に必要な「自己資金」は2,000〜3,000万円が目安とされています。これが老後のために確保しておきたい金額です。
30代前半の時点で意識したい貯金額
老後資金とは別に、「病気や失業などに備える生活防衛資金」として、生活費の6ヶ月〜12ヶ月分を確保するのが望ましいです。月20万円の支出なら、120万〜240万円程度が一つの目安になります。
さらに旅行や家電買い替えなど大きな支出にも対応できるように、現時点で300〜500万円程度の貯金があると心理的にも安心できます。
「老後資金」と「今の生活」のバランスの取り方
老後資金に特化しすぎると、今の生活が窮屈になってしまいます。大切なのは、『貯める・使う・増やす』のバランスです。
- 使う:日々の生活や趣味にお金を使って、人生の満足度を保つ
- 貯める:現金で生活防衛資金を確保する
- 増やす:NISAやiDeCoなどの制度を活用し、長期で資産を増やす
30代前半であれば、資産運用に時間のメリットが活かせるため、投資信託などを活用するのが効果的です。
実例紹介:独身30代前半の貯金戦略
ある35歳男性は、毎月の手取り30万円から以下のように資金を振り分けています。
- 生活費:18万円
- 現金貯金:3万円
- つみたてNISA:5万円
- 自己投資・趣味:4万円
このように無理のない範囲で「生活・将来・楽しみ」を意識しながら管理することで、将来の不安を軽減しています。
まとめ:安心のために必要なのは“金額”だけじゃない
独身で老後資金も自分で用意する必要がある場合、現役時代に老後用として2,000〜3,000万円、それとは別に日常の備えとして300〜500万円が目安です。
しかし最も大切なのは、「将来に対する見通しと対策」を持っていること。早めに準備を始めることで、少額ずつでも大きな安心に繋がります。
- 老後資金:長期的に時間を味方に積み立て
- 日常の貯金:万が一に備えた現金での備え
- 自己投資:将来の収入や幸福度を上げる支出
30代前半はその全てを無理なく始められる最適な時期です。ぜひ今日から、安心につながる一歩を踏み出してみてください。
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