生命保険金は遺族の生活を支える大切な資産のひとつですが、受取人や法定相続人の関係、税金の扱いについて理解しておかないと損をすることもあります。本記事では、保険金を子どもが受け取るケースにおける相続税や、法定相続人の扱い方について詳しく解説します。
生命保険金には相続税がかかるのか?
生命保険金は、受取人が法定相続人であれば相続税の非課税枠(500万円×法定相続人の人数)があります。ただし、この非課税枠を超えた金額については相続税が課される可能性があります。
たとえば、1800万円の保険金を受け取った場合、法定相続人が1人であれば非課税枠は500万円。1800万円−500万円=1300万円が課税対象となります。
離婚後の生命保険受取人を子に変更した場合の扱い
離婚後に元夫の生命保険の受取人を「子ども」に変更した場合、その子が保険金を受け取れば法定相続人として相続税の計算対象になります。
仮に保険契約者が元夫、被保険者も元夫、受取人が子どもであれば「みなし相続財産」として相続税の課税対象になります。
夫の母親は法定相続人に含まれる?
配偶者や子どもがいる場合、親や祖父母などの直系尊属は法定相続人には含まれません。したがって、夫の母親が健在であっても「子どもが1人いる」状況であれば、その子どもだけが法定相続人です。
つまり、非課税枠の計算上は「法定相続人1人」として500万円分の非課税が適用されます。
実際の相続税額の試算(1800万円を子1人が受け取るケース)
生命保険金:1800万円
非課税枠:500万円(法定相続人1人)
課税対象:1300万円
相続税の税率は課税価格に応じて10%〜55%の累進課税です。1300万円のケースでは、税率15%・控除額50万円が適用されるため、
相続税=1300万円×15%−50万円=145万円となります。
(※実際の税額は、他の財産や債務の有無により変動するため、税理士など専門家に確認しましょう)
保険金受取時の注意点とアドバイス
- 受取人の名義が明確に「子ども」になっていることを必ず確認
- 保険契約者・被保険者・受取人の関係で課税区分が変わる
- 税務署への申告期限は相続開始から10カ月以内
また、1800万円を全額受け取る前に一部を学費や養育費名目で扱う場合もありますが、その場合も税務的な根拠が必要となるため注意が必要です。
まとめ:非課税枠を理解し、適切な手続きを
生命保険金は法定相続人が受け取る場合に限り非課税枠があり、相続税が軽減される仕組みがあります。離婚後であっても、子どもがしっかり受取人に指定されていれば、制度上の優遇は適用されます。
今回のケースでは、子ども1人が法定相続人となり、非課税枠500万円を超える分の1300万円が課税対象になります。早めの名義確認と必要書類の整理、専門家への相談をおすすめします。
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