直腸がんにより人工肛門(ストーマ)を造設した場合、多くの生命保険では「後遺障害給付」の対象となる可能性があります。ただし、保険の種類や契約内容、等級の認定条件などにより給付の可否が異なるため、慎重な確認が必要です。
人工肛門と生命保険の後遺障害給付の関係
生命保険の「後遺障害給付」とは、病気やケガにより身体の一部に永続的な機能障害が残った場合に支払われる保険金のことです。人工肛門の場合は、身体障害等級や障害の恒久性を基準に判断されます。
たとえば、人工肛門を恒久的に造設した場合、「身体障害等級表」では原則6級相当とされ、保険会社の後遺障害基準にも該当することがあります。
後遺障害の認定条件と申請の流れ
人工肛門が後遺障害として認定されるためには、次のような条件が必要になります。
- 医師による「人工肛門の造設が恒久的である」との診断
- 造設から一定期間(通常6ヶ月以上)が経過している
- 保険会社が指定する書類(後遺障害診断書など)を提出
上記を満たしたうえで、保険会社に後遺障害給付の請求手続きを行います。
実例:人工肛門による後遺障害認定のケース
実際の例として、50代男性が直腸がんの手術でストーマ造設後、生命保険会社に後遺障害申請を行った結果、約100万円の後遺障害保険金が支給されたケースがあります。
このケースでは、医師の診断書に「恒久的」と明記されており、造設後8ヶ月以上経過していたことがポイントとなりました。
申請時の注意点とよくあるトラブル
後遺障害申請において注意したいのは、次のような点です。
- 「一時的なストーマ」と判断されると給付対象外となる
- 診断書に記載漏れがあると審査が通らない
- 保険契約時に人工肛門のリスクが予見されていた場合は免責となる場合も
また、後遺障害の等級や支給金額については保険商品ごとに異なるため、契約書をよく確認することが大切です。
相談先とサポート機関
申請に不安がある方や、審査が通らなかった場合には、次のような機関に相談するのが有効です。
- 生命保険協会:苦情や相談を受付
- 法テラス:法的トラブルへの無料相談
- 障害者総合支援法情報サイト:身体障害者手帳などとの関係
まとめ:人工肛門は後遺障害給付の対象になり得る
人工肛門の造設は、一定の条件を満たせば生命保険の後遺障害給付の対象になります。医師の診断書の内容や造設の恒久性が大きなポイントとなりますので、申請前には契約内容をよく確認し、不安がある場合は専門家に相談することをおすすめします。
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