「扶養を外れてフルタイムに近い働き方をしているのに、手取りは思ったより少ない…」という声は少なくありません。特に育児や家事と両立している場合、「この働き方で本当に良かったのか」と悩む場面も出てくるでしょう。本記事では、扶養から外れて働く場合の収入の仕組みや社会保険の影響、モチベーションの維持方法まで詳しく解説します。
扶養を抜けると何が変わる?社会保険の仕組みを整理
配偶者の扶養に入っていた場合、年収が一定額(130万円または106万円)を超えると社会保険に加入する義務が発生し、扶養から外れることになります。このとき、自分自身で健康保険料・厚生年金保険料を負担するため、手取りが大きく減るように感じられます。
社会保険料の負担が増えても、将来の年金や保障が充実する点ではメリットも大きいです。ただし、月収11〜12万円で週5日働いても手取りが10万円前後にとどまる場合、「見合っていない」と感じてしまうのも無理はありません。
扶養内と扶養外、どちらが得かを考えるポイント
単純な「手取り額」だけで比べると、扶養内で働いた方が得に見えることがあります。たとえば、週3日・1日5時間の勤務で月8万円程度の収入があれば、保険料を引かれず、手取りがほぼそのまま残るためです。
一方、扶養外で働く場合は、社会保険に加入することで、厚生年金の受給額が将来的に増えたり、健康保険の保障が充実したりと、中長期的にはプラスになる要素もあります。
健康診断や福利厚生の違いも要チェック
会社によっては、健康診断の内容や福利厚生に大きな差があります。たとえば、配偶者の健康保険組合が提供する健診では、乳がん・子宮頸がん検査などのオプションが無料で受けられる場合も。一方、自分の勤務先の保険制度では最低限の検査だけ、ということも少なくありません。
こうした違いが、働く意欲や満足度に大きく影響するため、会社選びの際には、給与だけでなく福利厚生にも注目することが重要です。
モチベーションが下がる理由とその対策
「働いても見返りが少ない」「家のことができずストレスが増えた」と感じると、働く意味を見失ってしまうことも。これは非常に自然な感情であり、環境を見直すサインとも言えます。
たとえば、働く日数を週5から週4に調整したり、扶養内に戻ることで家事や育児とのバランスを取りやすくなる場合もあります。また、資格取得やスキルアップを通じて「将来の自分のため」と視点を変えるのも、前向きなモチベーション維持の方法です。
実例:扶養外から扶養内に戻したケース
30代後半のDさんは、保育園に通う子どもを育てながらフルタイム勤務していましたが、手取りが11万円程度で家計にも大きく貢献できている実感が持てず、家事・育児の負担も増えてストレスがピークに。思い切って扶養内パートに切り替え、週3日勤務に変更したところ、精神的にも家計的にも安定したと話しています。
「働く」ことの目的はお金だけではなく、生活全体のバランスを取るためという視点に立ち返ることが、長く続ける鍵になります。
まとめ:手取りだけでなく「暮らし全体の質」で判断を
扶養外で働くことには将来的な保障や年金面のメリットがありますが、手取りの少なさや家庭への負担が大きくなりすぎると、本末転倒になってしまうことも。大切なのは「今の自分にとっての最適な働き方」を見つけることです。
扶養内で無理のない範囲で働くのも立派な選択肢。収入・制度・家族・自分の気持ち、すべてを天秤にかけて、納得のいく働き方を見つけましょう。
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