自動車保険の等級制度とは？事故後の等級の回復と再事故時の影響をわかりやすく解説

自動車保険の契約更新時に「等級」がどう変わるのか、不安や疑問を持つ方は多いです。特に事故後に等級が下がった場合、その後の回復タイミングや再び保険を使った場合の影響については、しっかり理解しておくと安心です。本記事では、自動車保険の等級制度と、事故後の等級変動について丁寧に解説します。

自動車保険の等級制度の基本を知ろう

自動車保険の等級制度は、事故を起こさずに保険を使わなかった期間が長いほど、保険料の割引が増える仕組みです。初めて加入する人は6等級からスタートし、1年間無事故なら1等級上がります。

反対に、事故などで保険を使うと「等級ダウン事故」として通常3等級下がることが多く、割引率も減少または割増になることがあります。

「1年で等級が戻る」というのは誤解が多いポイントです。実際には、事故の有無に関わらず、保険契約が満期（通常1年ごと）を迎えるときに等級が更新されます。事故で保険を使った場合、更新時にその分の等級ダウンが反映されるのです。

つまり、「1年経ったら戻る」のではなく、「1年後の更新時に次の等級が決まる」ということです。保険会社から送られてくる「継続契約のご案内」に等級と割引率が記載されているので、必ず確認しましょう。

事故から1年以内にまた保険を使った場合、等級ダウンがさらに重なります。例えば、すでに1回の事故で3等級ダウンしていたところに、再度保険を使うと、さらに3等級下がるなどのケースがあります。

また、事故によっては「1等級ダウン事故」や「ノーカウント事故」として扱われる場合もあり、内容によって影響が異なるため、保険会社に確認することが大切です。

「等級が戻るまでの期間」については、事故を起こした日が基準になります。修理日ではなく、「事故日」が等級に影響を与える起点です。

つまり、事故からの期間が1年空いているかどうかではなく、次の事故の「事故日」が前回の事故と重なっているかどうかで判断されるのです。保険を使う前に、事故日を基準としてリスクを考えるのがポイントです。

事故によって等級が下がると、保険料は大きく上がる可能性があります。例えば、20等級（割引63％）の人が事故で17等級に下がると、割引率が50％程度になることもあります。

また、事故歴があると「事故有係数適用期間」が3年間設けられ、その間は保険料が高くなる仕組みもあります。この仕組みは、自動車保険を選ぶ際の重要な判断材料となります。

自動車保険の等級制度は複雑に感じるかもしれませんが、ポイントは「契約更新時に等級が変わる」「事故日が等級判定の基準になる」「再度の保険使用で等級はさらに下がる」の3つです。

保険の使用には慎重になるべきですが、状況によっては利用が適切なケースもあります。不安があるときは、加入している保険会社に相談し、適切な判断をすることが大切です。