障害者手帳を新たに取得したり、障害年金を新規申請した場合、現在受給している年金額にどのような影響があるのか不安に感じる方も少なくありません。制度の仕組みを正しく理解しておくことで、安心して手続きを進めることができます。
障害者手帳と障害年金は別の制度
まず押さえておきたいのは、障害者手帳(身体・精神・療育)と障害年金はそれぞれ異なる制度であり、連動していないという点です。
障害者手帳は、日常生活の支援や福祉サービスの提供を目的に発行され、障害年金は、障害による就労制限などに応じた経済的支援として支給されます。そのため、手帳の取得が即年金額に影響するわけではありません。
新たに申請することで障害年金額が減る可能性はある?
既に障害年金を受給している場合、新たに障害が加わり、診断書を再提出するなどして再審査が行われると、認定等級が変わる可能性があります。
たとえば、以前より軽い障害と判断された場合、等級が下がることがあり、結果として年金額が減額されるリスクもゼロではありません。しかし、単に障害者手帳を取得しただけでは、現在の障害年金には通常影響しません。
等級の違いによる支給額の目安
障害基礎年金では、1級:約99万円/年、2級:約79万円/年(2024年度目安)となっており、障害厚生年金ではこれに加算される形です。
新たな障害で再審査された結果、1級から2級に下がった場合や、厚生年金から基礎年金のみへ変更となる場合には、受給額が減ることがあります。
障害が増えても年金額が変わらないケースも多い
逆に、新たに障害が加わったことで等級が変わらず、またはむしろ上がることで、年金額が増えることもあります。また、既存の年金に影響が出ないよう、医師の診断書を工夫してもらうことで調整が可能なこともあります。
心配な場合は、申請前に年金事務所や社会保険労務士に相談するのが安心です。
手帳と年金の「併用」で得られる支援もある
障害年金を受給しながら障害者手帳を取得することで、交通機関の割引、税制優遇、医療費助成、就労支援などの福祉サービスを受けることができ、生活の安定に役立つ場合もあります。
そのため、たとえ年金額に変化がなかったとしても、手帳取得によって得られるメリットは多いです。
まとめ:不安な場合は専門家へ相談を
障害者手帳の取得が直接障害年金の減額に繋がるわけではありませんが、再審査の結果次第で支給額が変わる可能性もあるため、手続き前には事前に制度を理解し、必要に応じて専門家の助言を受けることが大切です。
障害者手帳と障害年金の併用により、生活の選択肢が広がることもあるため、長期的な視点で制度を活用していきましょう。
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