現在加入している医療保険を告知義務違反の可能性から解約し、基準緩和型保険への加入を検討する方は少なくありません。しかし、手続きやリスクを誤解すると、保険金の支払い拒否や不利益を被る恐れがあります。本記事では、告知義務違反の基本から、適切な解約・再加入の流れ、共通データベースの実態までを詳しく解説します。
そもそも「告知義務違反」とは?
保険加入時に健康状態などを正確に申告する義務を「告知義務」といいます。これを怠ると、将来の保険金請求時に「告知義務違反」として契約解除や給付拒否となるリスクがあります。
たとえば、不眠症で通院し服薬していたにもかかわらず、その事実を申告しなかった場合、保険会社は「重要な事実を告知していない」と判断する可能性があります。
告知義務違反が発覚するタイミング
実際に保険会社が告知違反を調べるのは「給付金を請求したとき」が多いです。請求を受けて初めて、過去の診療履歴や薬剤情報を精査し、加入時の告知と矛盾がないか確認します。
つまり、現時点で給付請求がなければ、告知違反が発覚する可能性は低いものの、リスクは常に残るという点を理解しておきましょう。
基準緩和型保険とは?加入のポイント
基準緩和型保険とは、健康状態に不安がある方向けに設計された保険です。通常の保険に比べて告知項目が少なく、既往歴があっても加入できる可能性があります。
ただし、保険料は割高で、加入から一定期間(例:1〜2年)は保障が制限される「免責期間」があるケースがほとんどです。
解約と再加入のタイミングに注意
現在の医療保険を解約する際には、以下の点に注意が必要です。
- 新しい保険の承認が出るまで、今の保険を解約しない
- 特に「基準緩和型保険」は告知は少ないとはいえ、審査落ちの可能性がゼロではない
- 保険が途切れる期間を作らないため、慎重に切り替える
一方、既に「給付請求」をしている場合、解約しても過去の請求履歴や病歴情報が保険会社に残ります。
保険会社間で情報は共有されている?
生命保険協会では「保険契約者保護のための情報交換制度」が存在し、一定条件のもとで契約履歴が共有されることがあります。
たとえば、過去に保険金請求や契約解除の情報などが記録される「情報登録制度(MIB類似)」のような仕組みがあり、保険会社が契約時に参考にすることも。ただし、すべての情報が完全に共有されるわけではなく、あくまでリスク管理の参考資料として扱われています。
死亡保険への影響はある?
現在加入している死亡保険は、現時点で給付請求がなければ、告知違反によって即時に解除される可能性は低いです。ただし、もし医療保険の調査中に重大な事実が判明すれば、死亡保険にも波及するリスクは否定できません。
特に「同時加入」した場合は、加入時の告知情報が共通であるため、ひとつの契約で発覚した虚偽が別契約にも影響を及ぼす可能性があります。
まとめ:専門家に相談しながら慎重に行動を
不眠症による告知義務違反の可能性がある中での保険解約・再加入は、慎重な判断が求められます。すぐにすべての保険を解約するのではなく、まずは新しい保険の承認が下りたかを確認したうえで、段階的に手続きを進めるのが望ましいでしょう。
特に不安が大きい場合は、独立系FP(ファイナンシャルプランナー)や保険相談窓口に無料相談するのも有効です。安易な行動で、保障が失われることのないよう、落ち着いて対応していきましょう。
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