腸閉塞は、消化管のどこかで内容物が詰まり、通過できなくなる状態を指します。強い腹痛や吐き気、便が出ないなどの症状が出ることもあり、放置すると命に関わることもあるため、早期の正しい対応が非常に重要です。
腸閉塞はクリニックでは治療できるのか?
腸閉塞が疑われる場合、初期対応としてクリニックを受診することは可能ですが、診断がつけば速やかに総合病院などの高次医療機関への紹介が行われるのが一般的です。
クリニックにはCTや入院施設がないことが多く、画像検査や点滴治療など腸閉塞に必要な本格的な処置は困難です。
腸閉塞の主な原因と分類
腸閉塞には「機械的腸閉塞(腫瘍や癒着などによる物理的閉塞)」と「機能的腸閉塞(麻痺性腸閉塞)」があります。
- 手術歴がある場合:癒着による機械的閉塞が多い
- 手術歴がない場合:腫瘍、腸捻転、または一時的な腸の動きの麻痺が原因となる
特に今回のように「手術歴がない場合」でも、便秘や過剰な食事、腸の疾患によって機能的に閉塞するケースがあり、注意が必要です。
治療内容:絶食と管の処置で改善するのか
腸閉塞の初期治療では、絶食(禁食)+点滴による補液が基本です。また、胃に溜まった内容物を除去するために、鼻から胃管(イレウス管)を挿入する処置が行われることもあります。
この処置で多くの場合改善しますが、腫瘍や絞扼(血流が止まるような閉塞)を伴う場合は緊急手術が必要になることもあります。
入院は必要?自宅で様子を見るのは危険?
腸閉塞と診断された場合、基本的には入院が必要です。理由は、絶食管理や点滴、必要に応じて胃管処置や緊急手術の可能性があるからです。
腹痛が強く、嘔吐や便が出ない症状があるなら、速やかに救急外来を受診してください。自宅での様子見は、腸壊死や穿孔のリスクがあるため極めて危険です。
再発予防と生活習慣の見直し
腸閉塞は再発しやすい疾患のひとつです。特に高齢者や便秘がちな方は注意が必要です。以下のような生活習慣を見直すことで再発リスクを減らせます。
- 繊維質の摂取量を急激に増やさない
- 腹部のマッサージや適度な運動を習慣化
- 水分をこまめに摂る
また、腹部の症状が軽度でも長引くようなら、かかりつけの医師や消化器内科への早期相談が大切です。
まとめ:腸閉塞はクリニックではなく病院へ、早期対応が命を守る
腸閉塞は、初期には絶食や管での対応で改善する場合もありますが、確定診断と治療のためには病院受診が必須です。自己判断は危険であり、強い腹痛や吐き気、便通異常があるときは、早めの受診を心がけましょう。
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