29歳実家暮らしで貯金800万円は多い？同世代の貯蓄事情と将来に向けた資産形成のヒント

20代後半になると、将来への備えとして貯金や資産形成を意識し始める方が増えてきます。とくに実家暮らしで固定費を抑えている方は、しっかりと貯金ができる環境にあるため、自分の貯金額が「多いのか、普通なのか」が気になるところです。

20代後半の平均貯金額と中央値

金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査（2023年）」によれば、20代（単身世帯）の平均貯金額は約170万円、中央値は50万円程度です。

つまり、貯金800万円は平均どころか中央値と比べてもはるかに高水準であることがわかります。特に借金がなく、純粋に貯蓄がこの額であれば、かなり堅実な金銭管理をされていると言えるでしょう。

実家暮らしは、家賃・光熱費・食費などの固定費が抑えられるため、貯金しやすい環境にあります。ただし、その分「浪費の誘惑」も増えがちです。

その中で800万円もの貯金を築いたのは素晴らしい成果です。これを単なる銀行預金に留めず、将来を見据えた使い方や運用を考えていくことが今後のテーマとなるでしょう。

すべてを「使わないお金」として寝かせておくのではなく、目的に応じて次のように分けて考えると良いでしょう。

たとえば、300万円を生活防衛資金、200万円を短期目的、残り300万円をつみたてNISAや株式投資に活用するなど、ライフステージに応じた設計が可能です。

銀行口座に預けておくだけでは、インフレや金利の影響でお金の価値は目減りしてしまいます。そこでおすすめなのがつみたてNISAやiDeCoなどの非課税制度を活用した運用です。

毎月3万円を年利4％で20年間運用した場合、元本720万円が約1,100万円近くに増える試算もあります。時間を味方につけることで、大きな差が生まれます。

貯金があると安心する一方で、「何に使っていいか分からない」「ただ溜めるだけで満足してしまう」といった傾向も。将来に向けた目標を設定することで、貯金がより前向きな意味を持つようになります。

例として、「30歳までに◯◯を始めるための資金」「投資に毎月1万円をまわす」「5年後に独立資金を作る」など、目的別にお金を設計してみましょう。

29歳で実家暮らし、貯金800万円という状況は、平均から見ても非常に優れた成果です。今後はその資金をどう守り、どう活かすかを考えることで、将来の選択肢をさらに広げることができます。

「貯める」から「活かす」へ。あなたの資産がより価値あるものとなるよう、計画的な一歩を踏み出してみてください。