傷病手当金の認知度はどのくらい？制度の概要と申請ポイントを徹底解説

働く人が病気やケガで仕事を休まざるを得なくなったとき、生活を支える制度のひとつが「傷病手当金」です。しかしながら、実際にこの制度を知っている人はまだまだ多くありません。この記事では、傷病手当金の認知度を交えながら、制度の仕組みや申請時のポイントについてわかりやすく解説します。

傷病手当金とは？制度の基本概要

傷病手当金は、健康保険に加入している会社員や公務員が、業務外の病気やケガによって仕事を休み、給与が支払われない場合に支給される給付金です。

支給金額は、標準報酬日額の約3分の2で、最長1年6カ月まで受け取ることができます。会社を休職中でも生活費の補填として大きな支えとなります。

2020年に実施された厚生労働省関連団体による調査によると、傷病手当金を「制度として知っている」と答えた人は全体の約40〜50％程度にとどまりました。

特に20代〜30代の若い世代では、制度の詳細まで把握している人は少なく、「申請できるとは知らなかった」「会社から説明がなかった」という声も多く見られます。

傷病手当金を受け取るには、いくつかの条件を満たす必要があります。

とくに「待機期間のカウント」や「医師の証明」が不十分だと、支給が認められないこともあります。申請書類は記入ミスや記載漏れがないよう注意が必要です。

30代の会社員Aさんは、うつ病による長期休職となり、給与も停止されてしまいました。しかし職場の同僚から「傷病手当金」の存在を教わり申請を実施。結果として毎月20万円近くの給付を受け取り、生活を維持することができました。

一方で制度を知らずに借金で生活を賄っていたというケースもあり、知識の有無が生活に大きな影響を与えることがわかります。

傷病手当金の申請は、加入している健康保険組合または協会けんぽを通じて行います。会社経由で書類を提出する必要があるため、まずは人事担当者に相談しましょう。

書類は4つの欄（本人・会社・医師・健康保険）に分かれており、すべての記入が揃っていないと申請が受理されません。早めに医師の記入を依頼し、会社と連携を取ることがスムーズな支給への近道です。

傷病手当金は、知っているかどうかで人生が変わる制度のひとつです。まだまだ認知度が高いとはいえない今、制度を正しく理解し、自分や身近な人の助けになる場面に備えておくことが重要です。

自分は関係ないと思わず、万が一のために制度の仕組みを今から確認しておきましょう。