貯金と純資産(ネットワース)の違い|住宅ローンがある場合の資産評価の考え方

家計、節約

「口座に1,000万円あるから貯金がある」と感じても、住宅ローンなどの借入があるときは、総合的な財務状況をどう評価すべきか悩むことがあります。本記事では「貯金」と「純資産(ネットワース)」の違いを明確にし、ローンを抱えている場合の資産評価についてわかりやすく整理します。

貯金と資産の違い

一般的に「貯金」とは、銀行口座に預けている現金や預貯金を指します。これは家計のなかで普段使える現金のストックとしてとらえられますが、資産全体を評価するうえではごく一部の要素に過ぎません。[参照]金融資産と貯蓄の違い

貯金は「資産」の一部であり、株式や投資信託などを含めた総合的な金融資産とは区別されます。貯金の額がいくらであっても、他の資産や負債を考慮する必要があります。

純資産(ネットワース)とは何か

純資産(ネットワース)は、自分の所有する総資産から負債(ローンや借入金)を差し引いた値です。つまり、次のように計算されます:
純資産 = 総資産 − 負債(ローンなど) 。これがプラスであれば資産が負債より多く、マイナスであれば負債が資産を上回っているという財務状況を示します。[参照]純資産と貯蓄の違い

純資産には現金や預貯金だけでなく、株式や投資、不動産の市場価値なども含めて評価されるのが一般的です。[参照]純資産の定義と計算

住宅ローンを抱えたときの評価の仕方

たとえば、口座に1,000万円の貯金があり、同時に5,000万円の住宅ローンがある場合、純資産は次のようになります。
純資産 = 1,000万円(貯金) − 5,000万円(ローン) = −4,000万円

このように計算すると、純資産はマイナスになり、財務状況としては負債が資産を上回っていると評価されます。これは決して「貯金がない」という意味ではなく、負債の影響を差し引いた上での全体像の評価です。

貯金があるときの現実的な考え方

「口座に一定額あるから安心だ」と感じることは自然ですが、住宅ローンのような長期負債がある場合、その負債の返済能力や金利負担も考える必要があります。貯金は安全性の高い資産ですが、負債の返済義務がある限り、全体の経済的な余裕は評価基準が変わります。

純資産がプラスなら、負債より資産が多い状態であり、マイナスの場合は負債が資産を上回っている状態です。この考え方を理解することで、単純に銀行口座の金額だけを見る見方よりも、より正確な財務状況を把握できます。

実例:住宅購入後の資産評価の変化

実際の例として、30歳で1,000万円の貯金があり、3,000万円の住宅ローンを組んだとします。この場合、純資産は −2,000万円となりますが、住宅ローンを返済していくなかで資産としての住宅価値が上昇したり、貯金や投資によって資産が増えたりすれば、純資産はプラスに向かって改善していきます。

また、貯金があることで急な支出に対応しやすくなるものの、長期的には負債返済計画や資産の増加戦略と合わせて考えることが重要です。

まとめ:貯金=財務の全体像ではない視点

結論として、「口座に貯金がある=良い状態」とは限らず、住宅ローンのような負債がある場合は総資産から負債を差し引いた純資産の視点で評価することが大切です。純資産がプラスであれば資産が負債を上回っている状態であり、マイナスであればその逆です。

したがって、1,000万円の貯金があっても5,000万円のローンがあるのであれば、よくある家計評価としては「資産より負債が大きい状態」と見るのが一般的です。ただし、貯金は依然として財務の安全性(流動性)を高める役割を果たします。

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