転職や独立のタイミングで「社会保険から国民健康保険に変わると損をするのでは?」と不安に感じる方は少なくありません。この記事では、社会保険の加入実績が将来の年金に与える影響や、国保・任意継続の違い、選び方のポイントなどを具体的に解説します。
社会保険から国民健康保険に切り替えても、年金の記録は無駄にならない
まず知っておきたいのは、社会保険の加入実績(厚生年金)はしっかりと記録され、将来の年金額に反映されるということです。
13年間の厚生年金加入歴がある場合、その分の保険料は「将来の年金受給額」にしっかりと反映されます。国民年金に切り替えても、それまでの加入実績は消えることはありません。
国民健康保険と任意継続の違いとは?
任意継続は、社会保険を退職後も最大2年間、前の会社の健康保険を継続できる制度です。退職日翌日から20日以内の手続きが必要で、自分で保険料全額を支払う必要があります。
国民健康保険は市区町村が運営する制度で、前年の所得を基準に保険料が決まります。収入が低い場合、軽減措置が受けられる可能性があります。
どちらを選ぶべき?年収と保険料のシミュレーション
昨年の年収が220万円で、現在の月収が32万円の場合、保険料は次のように試算できます。
- 任意継続保険料:月額約20,000~25,000円(地域や協会けんぽによる)
- 国民健康保険料:年収に応じて変動(概ね月額15,000~30,000円の範囲)
国保は子どもがいる場合や収入によっては軽減が効くため、扶養人数や自治体によってはお得になることもあります。
任意継続の注意点とメリット・デメリット
任意継続のデメリットは、2年間の継続期間中に収入が減っても保険料が変わらない点や、途中解約が原則不可な点です。
一方で、扶養制度を活用できるのがメリットで、被扶養者がいる場合は保険料が抑えられるケースもあります。
年金制度との関係:国民年金に切り替える必要がある
社会保険をやめると、年金も厚生年金から国民年金(第1号被保険者)へと切り替える必要があります。
国民年金の保険料は月額約16,980円(2025年度時点)で、所得に応じて全額免除・一部免除・納付猶予制度なども利用可能です。
実例:30代で転職し、社保→国保にしたケース
35歳で転職し、フリーランスになったAさんは、年収300万円→月収25万円の見込みで任意継続を選択。結果、毎月の保険料が22,000円となり、自治体の国保の保険料より高くついたため、1年後に国保に切り替えました。
逆に、家族を扶養に入れていたBさんは、任意継続でトータルコストが下がったと話しています。
まとめ
• 社会保険の加入歴は将来の年金にきちんと反映されるため無駄にはなりません。
• 国民健康保険と任意継続は保険料体系が異なり、収入や扶養状況によって向き不向きがあります。
• 退職後20日以内であれば任意継続を選べるため、早めに保険料比較を行うのがおすすめです。
• 国民年金への切り替えも忘れずに。免除制度や付加年金制度の活用も視野に入れましょう。
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