傷病手当中でも育休手当(育児休業給付金)はもらえる?適用される特例と判断のポイントを解説

社会保険

妊娠と出産を見据えて将来の生活設計をする中で、「休職中でも育児休業給付金(いわゆる育休手当)は受給できるのか?」という疑問を抱く方も多いでしょう。とくに、うつ病などによる長期の休職や傷病手当金の受給中の場合は、条件が複雑になります。この記事では、制度の基本から適用される可能性のある特例、確認すべきポイントまでわかりやすく解説します。

育児休業給付金の基本条件とは?

まず原則として、育児休業給付金を受け取るには、次の2つの条件を満たす必要があります。

  • 雇用保険に加入していること
  • 過去2年間のうち、賃金支払基礎日数が11日以上ある月が12ヶ月以上あること(※2022年4月以降は「11日」→「8日」以上でも可)

この12ヶ月には、休職していた月や無給の月、勤務日数が条件を満たさない月はカウントされません

長期休職中に適用される「特例」とは?

ただし、上記の条件に該当しない場合でも、「特定受給資格者」として例外的に育休手当を受け取れるケースがあります。厚生労働省が示す特例は以下のようなものです。

  • 傷病・負傷・妊娠・出産等の理由で勤務が継続できなかった場合
  • 診断書などで、やむを得ない事情と認められること

この特例が認められれば、育児休業開始前の直近の2年をさらに4年間遡って通算できる可能性があり、受給資格を得るチャンスが広がります。

実際のケース:うつによる長期休職と特例適用

たとえば、以下のような勤務履歴の場合を考えてみましょう。

  • 2024年9〜10月:試用期間(アルバイト扱い)
  • 2024年11月〜2025年5月:正社員として勤務
  • 2025年6月〜:うつ病により休職・傷病手当金を受給
  • 2026年秋以降:妊娠・出産予定

この場合、出産時点での2年間に12ヶ月分の就労が足りない状態となる可能性がありますが、「傷病による就労不可」として正当な理由が認められれば、休職前の就労期間を活用して特例適用が可能です。

特に「医師の診断書」「休職開始日と原因の記録」「雇用継続証明」が重要な書類となります。

特例申請に必要な手続きと提出書類

特例の申請には、以下の書類をハローワークへ提出する必要があります。

  • 育児休業給付金支給申請書
  • 雇用保険被保険者休業開始時賃金証明書
  • 特定受給資格者・特例対象期間該当申立書
  • 医師の診断書(傷病内容・就労不可期間を明記)

申請内容が妥当と認められれば、制度上の「例外」扱いとして受給資格が認められる可能性があります。ただし、判断はハローワークの裁量によるため、申請前に必ず相談窓口で事前確認することが推奨されます。

体験談が少ない理由と相談先の活用

このような特例は適用事例が限られ、ネット上でも体験談が少ないのが実情です。なぜなら、「育児休業開始のかなり前から準備が必要」「休職中に出産予定となるのはレアケース」などの事情が重なるためです。

そのため、迷ったときは以下の専門窓口を活用すると安心です。

まとめ

うつ病などで長期休職中であっても、「やむを得ない事情」として特例が認められれば、育児休業給付金を受け取れる可能性があります

特例の適用には、医師の診断書や就労できなかった正当な理由を明示する書類が必要です。体験談が少なく判断が難しい場合でも、諦めずにハローワークへ早めに相談し、正確な情報のもとで進めることが大切です。

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