車を購入した際に検討するべき保険のひとつが車両保険です。特に東京海上日動が提供する「一般型車両保険」には「新価特約あり」と「新価特約なし」の2つの選択肢があり、それぞれの違いや補償内容について疑問に思う方も多いでしょう。この記事では、それぞれの違いや補償の仕組み、実際の支払例を交えて解説します。
「新価あり」と「新価なし」の基本的な違い
まず、「新価特約あり(新車特約)」とは、事故などで契約車両が全損となった場合、購入時の新車価格相当額が支払われる特約です。一方、「新価特約なし」の場合は、事故時点での車両時価額(市場価値)までしか補償されません。
たとえば新車購入時に300万円の車に加入していた場合、1年後に全損事故が起きた際、新価ありなら300万円、新価なしなら約240万円(時価額相当)しか支払われない可能性があります。
エンジンが無傷の場合は支払額が変わらない?
一部の情報で「エンジン損傷がなければ新価ありでも支払額は変わらない」といった声がありますが、これはやや誤解を招く表現です。新価特約の発動条件は、全損かつ修理費が新車価格の一定割合(たとえば50%以上)を超えた場合に限られ、エンジン損傷の有無だけで支払額が変わるわけではありません。
修理費が新車価格の40%程度にとどまる事故であれば、たとえエンジンに損傷がなくても「時価額限度の支払い」に留まるケースがあります。
保険料の違いはどれくらい?
「新価あり」と「新価なし」では、当然ながら保険料にも差があります。新価ありの方が年間で約1.2~1.5倍程度高くなる傾向があります。
たとえば30代のドライバーが新車(350万円相当)に対して加入した場合、新価なしで年間7万円、新価ありでは約10万円程度になることもあります。ただし、新価ありを付けられるのは新車購入後一定年数(多くは3年)に限られます。
実際の補償例とその違い
例1:走行中の衝突事故で全損
新価あり:購入額350万円の満額支払い
新価なし:時価額300万円の支払い
例2:大雨で車が冠水し修理費が180万円
車の新車価格が360万円、新価ありでも条件満たさず時価額で対応。よって新価ありでも金額は新価なしと同じになる。
「新価あり」はどんな人に向いている?
- ローンを組んで新車を購入した人
- 万が一の際、新車を再購入したいと考える人
- 車の価値が急落しやすい高級車・輸入車ユーザー
こうした方は、新価特約ありを検討する価値があります。一方で中古車や車両価値が低めの車種であれば、費用対効果を考慮して「新価なし」を選ぶのも合理的です。
まとめ:新価特約の価値は車の使い方と考え方で決まる
東京海上日動の車両保険における「新価あり」と「新価なし」の違いは、全損時の補償金額に大きな差が出るかどうかです。エンジン損傷の有無が影響するわけではなく、修理費や全損判定の条件に応じて支払基準が変わる点を理解しておきましょう。
加入時には自身のカーライフに合った補償内容を選ぶことが大切です。新車購入時はとくに新価特約の有無をしっかり比較検討しておくと、後悔のない選択ができるでしょう。
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