介護保険制度は、40歳以上のすべての人に関わる制度ですが、特に65歳以上の方にとっては毎月の保険料負担が大きな関心ごとです。中でも「無職」「所得ゼロ」の状態でも介護保険料はかかるのかという疑問を持つ方も多いでしょう。この記事では、年齢や所得状況に応じた介護保険料の決まり方を、具体的にわかりやすく解説します。
介護保険料は65歳から「第1号被保険者」に該当
65歳以上になると、「第1号被保険者」として市区町村が運営する介護保険の対象となります。この段階から、原則として全員に介護保険料が課されます。職業の有無にかかわらず、年齢基準で加入が義務付けられています。
介護保険料は原則として、年金から天引き(特別徴収)される仕組みですが、年金収入が18万円未満であったり、年金を受け取っていない場合には、個別に納付書が送られてくる「普通徴収」が行われます。
所得によって変わる保険料の「所得段階区分」
介護保険料は一律ではなく、住民税の課税状況に応じて段階的に決まります。一般的には市区町村ごとに「7段階〜11段階程度」の区分に分かれており、所得が少ない方ほど低い金額に設定されています。
たとえば無職で年金もない場合、住民税非課税で「第1段階」に該当し、保険料が最も低い水準に設定されます。市町村によって金額は異なりますが、おおよそ年間2万〜3万円台程度であることが多いです。
実際にいくら払うのか?計算の実例
たとえば、東京都世田谷区では令和6年度の介護保険料は「第1段階」で年間25,900円(月額約2,158円)です。一方、「第9段階」(高所得者)では年間105,600円(月額8,800円)となっており、所得に応じて4倍以上の差があることがわかります。
したがって、無職で所得が0円の方は最も低い区分に該当し、介護保険料の負担はかなり軽くなる可能性が高いのです。
納付が困難な場合の減免制度
それでも支払いが難しいという方には、各市区町村で「保険料の減免制度」が設けられています。たとえば、災害・失業・生活困窮などがあった場合、申請により一時的に保険料の軽減や猶予を受けられる場合があります。
申請先は市区町村の介護保険課で、必要書類(収入申告書・事情説明書など)を提出して審査を受ける必要があります。「払えない」と思ったら、放置せず早めに相談することが大切です。
まとめ:年齢と所得で決まる介護保険料の仕組み
68歳の無職・所得ゼロの方でも、介護保険料は原則として支払う必要がありますが、住民税が非課税であれば最低額の負担に抑えられる可能性が高いです。各市区町村での所得段階や保険料は異なるため、詳しくは自治体の公式サイトや窓口で確認しましょう。
厚生労働省・介護保険制度の詳細はこちらからもご確認いただけます。
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