会社を退職し、しばらく無職・無収入の状態が続く場合、国民健康保険料がどのように決まるのか気になる方も多いはずです。「収入がないから自然に安くなる?」「減免の申請は必要?」といった疑問に答える形で、制度の仕組みと注意点をまとめました。
国民健康保険料の仕組みと“無収入”の影響
国民健康保険料は、①所得割、②均等割、③平等割など複数の要素で構成され、前年の所得に基づいて算定されます。収入がゼロまたは非課税の世帯では、「所得割」はゼロとなり、基本的に「均等割」や「平等割」のみが課されます。
たとえば、単身・無収入の非課税世帯であれば、月数千円〜1万円程度の保険料になることが多く、自治体によってはさらに軽減措置が適用される場合もあります。
自動的に安くなる?それとも申請が必要?
原則として、前年の所得情報(住民税情報)をもとに自治体が自動計算するため、「何もしなくても保険料は収入に応じて決まる」仕組みになっています。
ただし、収入が激減した場合(退職や廃業など)は、前年の所得と実際の生活状況に大きな差が生じるため、「所得減少による減免申請」が可能です。この場合は、自主的に申請をしないと減免が反映されないので注意が必要です。
「国保に減免はない」は誤解?実はある減免制度
窓口で「国民年金には減免があるが、国保にはない」と言われたとしても、実際には多くの自治体で国民健康保険にも独自の減免制度が存在します。
具体的には以下のようなケースで減免が認められます。
- ・失業や廃業などで所得が激減した
- ・天災や災害による家計急変
- ・新型コロナの影響を受けた
厚生労働省のガイドラインに沿って減免制度を設けている自治体が多いため、一度役所に「収入激減による国保の減免申請をしたい」と明確に伝えるとよいでしょう。
実例:退職して国保加入した人のケース
会社を退職し、1年間無職の見込みで国保に加入したAさん。前年は非課税世帯だったため、役所では「均等割・平等割のみが課される」と案内されました。
しかし、前年に一定の収入があったBさんは、今年の無収入状況をもとに役所に相談したところ、所得減少に基づく「減免申請」が認められ、保険料が大幅に軽減されました。
手続きの流れと必要書類
減免申請を行う場合の基本的な流れは以下のとおりです。
- ①役所の国保窓口に相談
- ②減免申請書を受け取る
- ③前年収入や退職証明、失業給付明細など必要書類を提出
- ④審査後、決定通知が送られてくる
なお、申請は原則として「年度ごと」に必要なため、翌年以降も無収入状態が続く場合は再度手続きが求められます。
まとめ:国民健康保険料は「自動で安くなる」けど、減免は「申請が必要」
・前年が非課税なら、申請なしでも保険料は軽減される仕組み
・ただし、前年に収入があった場合などは、現状に合わせて減免申請をする必要がある
・「国保に減免がない」は誤解。各自治体で独自の制度あり
不明な点がある場合は、市区町村の国保担当窓口に相談することで、想定以上の保険料負担を避けられる可能性があります。
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