日本学生支援機構(JASSO)の奨学金制度を利用する際、「思っていた金額と振込額が違う」と感じることがあります。特に入学時特別増額貸与奨学金を含む場合や、複数種別の奨学金を同時に利用している場合には、計算が複雑になりがちです。本記事では、スカラネットでの奨学金採用後に想定と異なる振込額になった場合に考えられる原因や確認すべきポイントを解説します。
奨学金の合計額が予定より少ない?まずは内訳を確認しよう
第一種(5.1万円)と第二種(11万円)の月額貸与、そして入学時特別増額貸与(50万円)を受けている場合、初回振込では複数月分がまとめて支払われます。仮に4ヶ月分の貸与を想定しているなら、理論上は「50万 + (5.1万 + 11万)×4ヶ月 = 114.4万円」になるはずです。
しかし、実際に振り込まれた金額が108万3865円である場合、約6万円の差額があります。この差額は、制度上の控除や諸費用の差引きによる可能性が高いです。
機関保証制度を利用している場合の差額とは?
日本学生支援機構では、連帯保証人を立てる「人的保証」と、保証機関に手数料を支払う「機関保証」のいずれかを選べます。多くの学生が人的保証を用意できないため機関保証を選択していますが、この制度には保証料が発生します。
保証料は貸与金額や貸与期間に応じて月ごとに差し引かれる仕組みで、初回に数万円単位の保証料が差し引かれるケースも。実際、6万円程度の差額であれば、この保証料が要因である可能性が非常に高いです。
保証料の確認方法と交付書の重要性
交付書(奨学金貸与決定通知)は、大学を通じて配布されます。この交付書には、実際の貸与額、初回振込額、保証料の内訳などがすべて記載されています。まだ交付書が届いていない段階であれば、詳細な内訳が不明なままとなります。
まずは大学の奨学金担当窓口に問い合わせて、交付書の配布時期を確認しましょう。交付書が手元に届けば、振込額の内訳や差額の正当性を確認することができます。
奨学生番号が不明な場合でも問い合わせ可能
スカラネットや大学への問い合わせを行う際、奨学生番号が必要になる場合がありますが、まだ交付書が届いていない状況でも、名前・生年月日・大学名などで本人確認を行い、対応してもらえることがほとんどです。
焦らず、大学の学生課または奨学金窓口に「奨学金の初回振込額が予定より少ない理由を知りたい」と伝え、必要な情報提供を受けましょう。
他に考えられる差額の要因
保証料以外にも、以下のような要因で差額が発生する場合があります。
- 奨学金の貸与開始月が想定と違っていた(例:6月分からではなく7月分からの貸与)
- 事務手続きの遅延により、実際の振込月がずれた
- 手数料や口座振込にかかる細かな控除
これらのケースはまれですが、複合的に差額を生じさせる原因になるため注意が必要です。
まとめ:まずは交付書と大学窓口で正確な情報を確認
奨学金の振込額に差があると不安になりますが、多くの場合は機関保証料などの制度上の控除が原因です。焦らず交付書の内容を確認し、不明点は大学の奨学金担当部署に問い合わせましょう。
特に初回振込では金額が大きくなりやすく、制度を正確に理解することで安心して奨学金を活用できます。
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