パート勤務を始める際、「106万円の壁」や「社会保険の加入条件」に不安を感じる方は多いのではないでしょうか。特に扶養内で働きながらも収入が増えそうな場合、「自分は社会保険に入らなければいけないのか?」という疑問が出てきます。本記事では、現在の制度に基づき、年収108万円・週16時間勤務・従業員51人以下の職場で働く場合に社会保険加入義務があるかどうかを詳しく解説します。
「106万円の壁」とは何か?
106万円の壁とは、一定の条件を満たしたパート・アルバイトが健康保険や厚生年金の社会保険の被保険者(加入対象)となる基準の1つです。このラインを超えると、会社員として扱われるため、自分で保険料を支払う必要があります。
ただし、「年収106万円超=即加入」ではなく、以下の5つの要件をすべて満たす場合にのみ、社会保険の加入が義務付けられます。
106万円ルールの適用条件(2024年現在)
- ① 週の所定労働時間が20時間以上
- ② 賃金月額が8.8万円以上(年収換算約106万円)
- ③ 雇用期間が2か月超(見込みも含む)
- ④ 従業員数が常時101人以上(2024年10月以降は51人以上に拡大)
- ⑤ 学生でない
これらのうち1つでも欠けていれば、106万円を超えても社会保険加入義務は発生しません。
質問の条件をもとに検証
ご質問のケース(30代主婦、パート、週16時間勤務、月額9万円、年収108万円、従業員51人以下)に当てはめてみると。
- ① 週20時間未満 → 条件不該当
- ② 月9万円 → 条件該当
- ③ 継続勤務予定 → 条件該当
- ④ 従業員51人以下 → 現時点では条件不該当
- ⑤ 学生でない → 条件該当
結果:2項目が未達のため、社会保険加入の義務は現時点ではなしということになります。
2024年10月以降の制度変更について
2024年10月からは「51人以上の企業」に勤務するパート・アルバイトにも106万円ルールが適用されるようになります。ただし、週20時間未満勤務の方は引き続き対象外です。
そのため、週16時間のままであれば、今後も社会保険の加入は義務化されません。
社会保険に入らなくていいメリットとデメリット
メリット: 保険料の自己負担がなく、扶養内で配偶者の社会保険に入っていられるため、手取り収入が多くなります。
デメリット: 厚生年金や健康保険が自分名義で積み立てられないため、将来的な年金額や福利厚生の差が出る可能性があります。
まとめ
週16時間勤務、年収108万円、従業員51人以下の職場という条件であれば、現行制度では「106万円の壁」の社会保険適用条件には該当しません。そのため、扶養内で働き続けることが可能です。
ただし、今後週の労働時間を20時間以上に増やす予定がある場合や、企業規模の変化がある場合には、適用条件が変わる可能性があるため、定期的な確認が重要です。
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