医療保険の加入においては、過去の病歴や治療歴を「告知」することが求められます。特に不妊治療中の方にとっては、人工授精や投薬が保険加入にどう影響するのか気になるところです。本記事では「人工授精は手術歴に該当するのか」「不妊治療の告知範囲」について詳しく解説します。
人工授精(AIH)は「手術」に該当するのか?
人工授精(AIH:配偶者間人工授精)は、通常、手術とはみなされません。医療保険における「手術」とは、外科的な侵襲を伴う処置(切開や縫合、全身麻酔を伴うなど)を指すケースが多いため、子宮内に精子を注入する人工授精はこれに該当しないと考えられます。
ただし、保険会社によっては「処置・検査・治療」の定義が異なるため、最終的な判断は保険会社の基準に従う必要があります。
緩和型保険の「1年以内の手術」項目に人工授精は含まれる?
緩和型医療保険に見られる「過去1年以内の手術歴」の質問は、あくまで「医師による外科的手術」が対象となるのが一般的です。そのため、人工授精はこの問いには該当しない可能性が高いです。
とはいえ、「処置」や「入院」「通院」歴を告知する別項目がある場合、人工授精を含む不妊治療の通院歴はそこに該当します。
不妊治療中の通院や投薬は告知対象になるか?
人工授精をはじめとする不妊治療において、ホルモン剤の投与、排卵誘発剤の使用、また通院が定期的にある場合は「現在の治療中」「最近の通院歴」などに該当し、告知が必要です。
告知義務違反となると、契約解除や給付金の不支給のリスクがあるため、不妊治療中であることは正直に告知すべきです。保険会社もこのような事情に理解のある対応をとるケースもあります。
保険会社によって異なる対応
人工授精や体外受精の扱いについては、保険会社によって基準が異なります。ある会社では「手術に該当しない」と明言している一方で、別の会社では「告知事項に該当する可能性がある」としています。
したがって、加入を検討している保険会社に対し、事前に電話などで確認するのが確実です。匿名相談を受け付けている窓口もあります。
不妊治療中に加入できる保険の選び方
- 緩和型保険:告知項目が少なく、加入しやすいが、保険料は割高
- 引受基準緩和型医療保険:告知項目は3~5問ほど。不妊治療中でも通院期間が一定期間空いていれば加入可能なことも
- 告知の詳細に不安がある場合は、保険ショップなどの中立な窓口で相談がおすすめ
まとめ
人工授精は原則として医療保険における「手術」には該当しないケースがほとんどですが、「通院歴」「治療中」に関する告知項目には該当する可能性があります。
不妊治療中での保険加入は慎重な判断が必要ですが、正しい告知を行えば多くの場合、加入可能です。心配な場合は保険会社に直接確認し、最適な商品を選ぶことをおすすめします。
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