85歳の父と84歳の母が受けられる遺族厚生年金の条件とは?理解しづらい要件をやさしく解説

年金

父親が亡くなった場合、母親が受給できる遺族厚生年金。要件が複雑で、「基礎年金しか加入していない」「厚生年金期間が短い」と戸惑う方も多いです。本記事では、実例を交えつつ、85歳の父・84歳の母のケースをもとに要件と注意点をわかりやすく解説します。

まずは遺族の種類と、もらえる年金の違い

遺族年金には主に「遺族基礎年金」と「遺族厚生年金」があり、母親の年齢や父親の加入状況によってどちらが支給対象かが変わります。

● 遺族基礎年金:子どもが一定の年齢以下でないと受け取れません。
● 遺族厚生年金:配偶者(妻・夫)が65歳未満でも65歳以上でも対象です。

今回のケース:父85歳・母84歳、妻が対象になるのは?

父親が85歳で厚生年金加入145月、国民年金317月の条件。

母親(84歳)の場合、遺族基礎年金は子どもが18歳未満でないと受給不可なので対象外になります。

母が受け取れる可能性がある遺族厚生年金の要件

国民年金機構によると、遺族厚生年金の受給には「厚生年金被保険者期間が1年以上あれば65歳以上の配偶者は対象」となります(厚生年金被保険者期間の合計が25年以上というのは、生計維持者の場合の条件)。

父親が145月(約12年)働いていた場合でも、母親は厚生年金加入の事実がある限り対象になり得ます

具体的な受給できるパターンと金額の目安

母親が受け取れるのは「遺族厚生年金」のみ。

支給額は
父の平均標準報酬で算出される「報酬比例部分」×0.5425 × (父の被保険者期間/月数)という算出式で決まります。

実例:145月の加入期間がある場合の計算例

例えば、父親の平均報酬が25万円だと仮定します。

計算は以下のとおり:
25万円×0.005425×145月=約197,000円/年(月額16,400円)

これはあくまで目安で、実際の回数や報酬額によって変動しますが、少なくとも母親は対象者となります。

年金申請手続きと必要書類の流れ

申請は最寄りの年金事務所または年金相談センターで行います。

  • 被保険者期間証明書
  • 年金証書、戸籍謄本
  • 振込先口座の通帳

65歳以上の配偶者向け申請として、「遺族厚生年金」のみを選んで提出します。

まとめ:145月の厚生年金加入でも母は遺族厚生年金の対象

今回の事例では、85歳の父が厚生年金に12年以上加入していたため、84歳の母は遺族厚生年金の受給対象となります。受給額は年金加入実績と報酬水準で変わりますが、「25年以上」という要件は生計維持者の場合の話。まずは申請をしてみて、確定金額を待つことが重要です

コメント

タイトルとURLをコピーしました