海外赴任中でも等級を維持する方法はある?対物のみ自動車保険の加入可否と代替策を解説

自動車保険

長期の海外赴任や一時的に車に乗らない期間がある場合、自動車保険の等級(ノンフリート等級)をどう維持するかは、多くの方にとって重要なテーマです。特に「帰国後に保険料が高くなるのを避けたい」という理由で、対物賠償責任保険だけを新規で契約できないか検討する方も少なくありません。この記事では、対物のみ加入の可否や現実的な代替策、そして等級の維持方法について解説します。

そもそも「対物のみ」で新規契約はできる?

結論から言うと、大手損保会社では対物賠償責任保険のみでの新規加入は基本的にできません。日本の自動車保険では、対人・対物・車両・人身傷害などをパッケージで提供しており、対物のみを単独で契約することは非常に限定的です。

また、新規であればなおさらで、「最低限でも対人賠償責任保険とセット」が基本的な条件となっている場合がほとんどです。これは保険会社がリスクを分散するために設定している方針です。

海外赴任中に等級を維持するには「中断証明書」の活用が有効

乗らない期間が2年〜3年ある場合、最も確実に等級(割引)を維持できる方法は「中断証明書」の取得です。これは現在加入中の自動車保険を一時中断し、最大10年間まで等級を保管できる制度です。

取得条件には以下のような要件があります。

  • すでにノンフリート契約であること(6等級以上)
  • 車両の売却・廃車・譲渡などを行っている
  • 中断証明の申請を契約終了から13ヶ月以内に行う

つまり、現在の車両を一時的に親族に譲渡したり、抹消登録すれば条件を満たせる可能性があります。

「保管目的」であっても保険は必要?

海外赴任中に車を保管するだけで走行しない場合、自賠責保険の契約義務はありませんが、万が一盗難・火災・倒壊等のリスクを考慮するなら、車両保険付きの「車両保管専用プラン」の検討が現実的です。

実際に、一部の保険会社では「使用休止車両特約」などといった、保管用の自動車保険プランを提供しています。これを使えば、事故リスクは抑えつつ、限定的な補償と等級維持が両立できます。

親類名義での一時保有とそのリスク

親族に名義を変更して保険契約を維持する方法もありますが、後から自分の名義に戻す際、等級を引き継げない可能性があります。保険契約者や記名被保険者が変更になると、等級がリセットされるリスクがあるため、保険会社に詳細を事前確認する必要があります。

また、譲渡とみなされることで贈与税の対象になる可能性もあるため、慎重な対応が求められます。

帰国後に新規契約扱いになるとどれくらい違う?

等級を引き継げない場合、6等級からのスタートとなり、10等級以上と比べて年間で3〜6万円以上の差が出ることも珍しくありません。長期的に見れば、中断証明を使って等級を維持する方がコストパフォーマンスが良いと言えるでしょう。

まとめ:対物のみの新規契約は難しいが代替策はある

「対物保険だけで保険料を抑えたい」という考えは合理的ですが、現実には難しいのが現状です。しかし、中断証明制度や保管用プランを活用することで、割引等級を維持しつつコストを抑える道は確実に存在します。

赴任が決まったら、早めに現在の保険会社に相談し、中断証明の取得可否や条件を確認しましょう。しっかりとした準備が、帰国後の安心・経済的負担の軽減に繋がります。

コメント

タイトルとURLをコピーしました