雇用保険の基本手当(失業給付)を受給中に、短時間のアルバイトやパート勤務をすることは可能ですが、手続きを誤ると支給停止になる場合があります。特に、週の労働時間が徐々に増え、将来的に社会保険加入に至るようなケースでは、早めに対策や情報整理が必要です。
雇用保険受給中の就労は申告が前提
まず大前提として、失業手当を受給している間に就労(アルバイトやパート含む)した場合は、「就職・就労の報告」をハローワークに行う必要があります。これは、1日数時間の勤務であっても同じです。
報告を怠ると、不正受給と見なされ、給付金の返還や延滞金・刑事罰の対象になることもあるため、必ず報告しましょう。
「内職・手伝い」と「就職」の違い
ハローワークでは、短時間労働でも「就職」と判断されるか、「内職・手伝い」として扱われるかで給付への影響が変わります。一般的に、以下の条件を満たす場合は「就職」と見なされます。
- 週20時間以上の勤務
- 雇用期間が31日以上ある見込み
- 社会保険に加入する予定がある
このような場合、基本手当の支給はストップしますが、再就職手当などを受け取れる可能性もあります。
週の労働時間が少ない間は「内職・手伝い」に該当する可能性も
例えば、質問のように「1日3時間・週4日程度(週12時間)」の場合、多くのケースでは「内職・手伝い」として扱われます。この場合、報告を行えば給付を受けながら働くことが可能です。
ただし、その日数・時間分の手当が減額されるため、過少申告や無申告は厳禁です。働いた日は「失業認定申告書」に必ず記入してください。
労働時間が増えたら再就職とみなされる
後に労働時間が増えて週20時間を超えるようになると、社会保険の加入要件を満たし、ハローワークから「再就職」と判断されます。この場合、受給資格は喪失します。
ただし、厚生労働省が定める一定の条件(早期再就職など)を満たせば、再就職手当や就業促進定着手当などの支援金を受け取れる制度もあるため、損をするとは限りません。
実例:Aさんのケース
受給中のAさんは、週3日・1日4時間のパート勤務を開始しました。勤務初日に就労報告を行い、失業認定申告書にも記載。給付額は減額されながらも受給は継続。
その後、週5日・1日5時間勤務に変更され、雇用保険と健康保険に加入。ハローワークに変更内容を届け出たことで、基本手当の支給は終了し、再就職手当の対象となり10万円を受給しました。
不安な場合はハローワークに事前相談を
判断が難しいケースや労働時間が変更される予定がある場合は、早めにハローワークに相談することをおすすめします。勤務先から労働条件通知書をもらい、それを元に判断を仰ぐことも有効です。
相談時には、以下を持参するとスムーズです。
- 勤務予定表やシフト
- 雇用契約書
- 雇用主の連絡先や会社情報
まとめ:就労は報告がカギ。制度を理解し安心して働こう
雇用保険受給中に働くことは違法ではありませんが、「いつ・どのように・どのくらい」働くかによって、受給可否は大きく変わります。
短時間の勤務であっても必ず申告し、労働時間が伸びる際は再就職や社会保険の加入との関係に注意しましょう。制度を理解すれば、給付を無駄にせずに新しいスタートを切ることができます。
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