低年収の会社員が厚生年金に加入した場合、国民年金より得になるか？年金法案改正とその影響

年収100万円以下のパート職員が厚生年金に加入するための年金法案改正が議論されており、その結果が低年収の会社員にとってどれほど有益かに関心が集まっています。特に、年収50万円の職員が厚生年金に加入した場合、国民年金加入よりも「得」になるのかについて詳しく解説します。

1. 厚生年金と国民年金の基本的な違い

まず、厚生年金と国民年金の基本的な違いについて理解することが重要です。国民年金はすべての国民が加入することが義務づけられており、その保険料は一律で定められています。一方、厚生年金は会社員や公務員などが加入する年金で、収入に応じて保険料が決まります。

国民年金の保険料は一定額ですが、厚生年金は給与の18.3%を基に計算され、その半分を本人が負担し、残りを雇用主が負担します。収入が少ない場合、実際に支払う保険料は低くなりますが、給付額にも違いがあります。

仮に年収50万円の職員が厚生年金に加入した場合、年間の保険料は計算式に基づいて以下の通りになります。保険料は50万円×18.3% = 91,500円です。その半分を本人が負担するため、実際に支払う保険料は45,750円となります。

これに対し、国民年金の場合は、月額17,510円の保険料を12ヶ月支払うことになるため、年間の支払い額は210,120円となります。厚生年金に加入することで、国民年金よりもかなり安い保険料で済むことがわかります。

厚生年金に加入すると、基本年金部分（基礎年金）は同じですが、厚生年金の上乗せ部分が加算されます。これにより、将来的な年金受給額が増える可能性があります。しかし、低年収の職員にとって、厚生年金の上乗せ部分が少ないことも考慮する必要があります。

年収が低いため、厚生年金の上乗せ部分は小さいかもしれませんが、国民年金よりも支払額が少なくて済む点や、一定の年金額を確保できる点でメリットがあります。

厚生年金に加入するメリットとしては、将来的に年金額が増える可能性がある点が挙げられます。また、社会保険の適用が受けられるため、病気やケガで働けなくなった際の保障が手厚くなります。

一方で、低年収の場合は、厚生年金の上乗せ部分が少ないため、支払った保険料に対する給付額が少ないというデメリットもあります。そのため、年収が低い職員にとっては、国民年金の方が安くて良いと感じることもあります。

年収が低い会社員が厚生年金に加入する場合、支払う保険料は国民年金よりも安く、将来的な年金額が増える可能性があります。しかし、低年収の場合、厚生年金の上乗せ部分が少ないため、実際の年金額には限界があります。それでも、社会保険に加入することで将来の保障が手厚くなるため、メリットは大きいと言えます。